いすずの取った西也のスカウト手段


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  *原作1巻ネタ

     ***

 夜の事務室。
「頼む。千斗」
 可児江西也が仁王立ちになる。
「口でいいのかしら」
「ああ、しっかり飲んでもらうからな」
 千斗いすずはしゃがみ込み、西也のズボンからベルトの金具を外し始める。チャックを下げて一物を取り出すと、まだ慣れていないたどたどしい手つきで、まずは手で扱き始めた。
 とても気持ち良い。
 経験が浅くてぎこちないというか。不慣れで加減のわかっていないようすで、黙々と手を動かす姿には、なんというか素人特有のエロさがある。頑張って慣れようとしている感じが物凄く良い。
「咥えるわよ」
「くれぐれも噛むんじゃないぞ」
「そんなことはしないわ。んちゅるぅ……」
 口を開いたいすずは西也の股へ頭を前進させ、それによって西也の肉棒は少しずついすずの口内へ埋まっていく。
 前後運動が始まると、一層快感は強まった。
 いすずの舌がねっとりと肉棒に貼り付き、頭が動くたびに頬の内肉も擦れてくる。口腔の熱気に包み込まれ、西也の一物はいつ精を吐き出してもおかしくなかった。
 こんな淫らな真似をしているといっても、二人は恋人同士になったわけではない。
 甘ブリの復興を頼まれた西也は、いすずの肉体と引き換えに役目を引き受け、仕事に区切りを付けた休憩などの際には手コキやフェラチオを頼んでいる。
「出すぞ。千斗」
 断りを入れて射精する。
「――んっ、ゴクン」
 いすずは喉を鳴らして精液を飲み込んだ。


 二人がこうなったのは、先週のこと。
 いすずが初めて西也を誘い、ブリリアントパークへ招いてからのこと。

 魔法の国メープルランドの住人は、お客様の楽しかった気持ちによって命を保つ。
 つまり、いすず達にとってパークの存続は文字通りの死活問題。
 もちろん別の遊園地でやっていける妖精達はいるだろうが、消滅する方が早い妖精達もいることだろう。
 何よりラティファには呪いがあるから、きっと確実に……。
 だからいすずは必死だった。
「お前は俺を珍妙な武器で脅して、貴重な休日や放課後を奪った。迷惑なのは承知のはずだ。だというのに、厚かましくも『自分たちを助けてくれ』と言っている。ここまで人を小馬鹿にした要求があるか?」
「…………」
「では、あらためて質問しよう。俺が『いやだ』と言ったら? 殺すのか?」
「それは……」
 いすずは何も言葉を返せない。
 メープルランドでも古くからの武門出身のいすずは、近衛隊に属し、王家の人々を守るべく、常に厳しい訓練を重ねてきた。
 西也のような地上人にものを頼む方法を知らない。
 近衛兵時代からそうだった。
 クールで杓子定規。高圧的に何かを強要して、平然としている嫌な女。たぶん誰もがそう思っていることだろうし、西也にも同じく思われている。
 もっと巧みな話術で鮮やかに西也を引き込めれば、きっと話は早いのに、いずすにはそれだけのコミュニケーション能力がない。
 他にどうしようもない。
 自分にはもうそれしか打つ手がない。
「……これならどうかしら」
 いすずは西也の手を引っ張り、内側から鍵のかかる密室へ連れ込んだ上で、スーツのボタンを外し始めた。
「お、おい! 千斗よ。何をしている?」
「見ての通り、服を脱いでいるわ」
 秘書のスーツを脱いだいすずは、次にシャツのボタンを外していき、少しずつブラジャーを露出していく。
「馬鹿な! そんな安直な手で俺を釣ろうというのか!」
 西也はとても慌てていた。目のやり場に困ったように、必死に他所を向き始めた。
「こうしてでも、神託を受けたあなたの力を借りたいの」
「……脅した次は色仕掛けか」
「私には他のやり方がわからない。ずっと近衛兵としてやってきたから、地上人にものを頼む方法を知らないのよ」
 シャツを脱ぎ、上半身はブラジャーだけになる。
 タイトスカートを脱ぐと、黒いスパッツに包まれた下着が現れ、そのスパッツをもいすずは脱ぐ。完全な下着姿となり、残る上下も取り去って、いすずは生まれたままの姿となった。
「そんなことをしても、俺が頷く保障はないのだぞ?」
「でしょうね」
「だから早く服を着ろ!」
「着ないわ」
 いすずはきっぱりと言った。
 もちろん、初めて男の前で裸になって、全く平気なわけではない。もしもみんなの文字通りの死活問題ということがなく、これが単なる普通の存続問題だったなら、きっとこんな決心は出来なかったし、思いつきすらしなかっただろう。
 経験の無い、誘い方も知らない自分だが、やるだけのことはやるしかない。
「私があなたに抱かれるといっても、話を引き受けてはくれないのかしら」
「……当たり前だ。そんな話があるか」
「だったら、試すだけでもいいわ」
「な、なぬっ」
「試してみて、私を気に入ったらパークを復興させて欲しい。もしも私では不満だったというなら、その時は諦めるわ」
 強固な意志で裸体を見るまいとしていた西也だが、この言葉には迷う素振りを見せた。
「何故そこまで出来る」
「遊園地に来たお客様の楽しい気持ち、わくわくする気持ち。『アニムス』が無ければ私達は生きられない。この話はもう聞いたでしょう?」
「それが本当に、本当の話だとでも」
「証拠として、あなただって心を読む魔法を授かっている」
「………そうか」
 今まで全てを信じきってはいなかった西也は、初めて納得した素振りを見せた。
「私はこうしてでもパークを……。だから、もう少しだけ考えてみてくれないかしら」
「本当に保障はできない。抱かれるだけ損になるかもしれないぞ?」
「構わないわ」
 そう言うと、西也はごくりと息を呑み、恐る恐るいすずの乳房に手を伸ばす。
 まずは遠慮がちに揉み始めた。
「こ、これが女の……」
 どうやら初めて胸を揉んでいるらしく、感激しているというか、緊張しているというか。そんな強張った顔で指を躍らせる。
 乳房という場所に男の手が触れてきて、いすずも緊張して固まっていた。
 ただ恥ずかしいだけじゃない。
 果たしてこの賭けが上手くいくか。これで西也を引き込めるか。せっかく、ここまでしているのだから、絶対に成功して欲しいと祈る気持ちは強い。
 時間が経つにつれ、西也の手つきは活発になる。
「あ、あのっ、可児江くん。もう少し優しく」
 十分近く経つ頃には指の蠢きが激しくなり、揉み加減も強まっていた。
「お、おう。すまん」
 西也は力を緩める。
 しかし、遠慮した力の弱さはすっかりなくなり、西也はもう普通に揉んできていた。
 やがて秘所の愛撫へ移り、指が割れ目をなぞってくる。甘い痺れで疼いてきて、しだいにクリトリスが敏感になり、愛液で全体的に蒸れてくる。
 そして、西也はいすずをテーブルの上に寝かせてきた。
「……するのね」
 いよいよ本番だと、いすずは悟った。
「いいか? 千斗」
「言い出したのは私だから、文句は言わないわ」
「わかった」
 西也は肉棒を取り出し、いすずの膣内へと挿入した。
「――っ!」
 初めて男を受け入れて、いすずは目を見開いた。
 太いものが穴を内側から圧迫して、ピストン運動を開始する。破瓜の痛みもあるが、何よりもいすずが驚くのは、それが指なんかよりも遥かに硬くて熱いことだ。週に何度かのモナピーくらいはするから、指で少しは慣らしてあったが、それでもなお、穴を拡張しようとしてくるキツさがあった。
 太いからこそ、肉棒と膣壁がぴったり隙間無く摩擦し合って、性の刺激を生んでいる。
「きっ、気持ちいい! いいぞ千斗!」
 西也が自分に夢中になっている。その事実を子宮が如実に感じ取っていた。
「――あぅっ、ふぁぁぁん!」
 いすずも喘いだ。
 西也が動くにつれて、いすずの膣もそれに慣れ、快感は強まっていた。
「――千斗っ!」
 白濁が撒かれた。
 西也は射精のタイミングで引き抜いて、いすずの体中に精液を撒き散らした。腹から胸にかけて、さらに顎の周りにまで飛んできて、そのツンとした匂いがいすずの鼻を突いていた。
 これがセックス。これが精液。
 それらの余韻に浸ったいすずは言った。
「パークのこと。考えてもらえるかしら」
「今のうちに言っておく。目標人数の保障は出来ない」
 良かった。
 これでやっと、少しはパークに希望が持てる。




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