女子の下着は支給品


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 LBX学園において、生徒の生活必需品は学園側から支給される。女子の下着もその例外ではなく、定期配給される下着類を受け取った鹿島ユノは顔を引き攣らせていた。
「なに……? これ……」
 ユノは自分のパンツを手に取って、怒ればいいのか照れればいいのかもわからずに、ただただ顔を引き攣らせた。
 今回の下着は派手な赤、フリルのついた真紅の生地はとてもウブな中学生が着るようなものではない。よく見るとパンツに薔薇模様の刺繍があるところなど、官能的な大人の女を思わせる柄でしかなかった。
「もう一着はこれだし……」
 下着の支給は上下二セットから三セットを合わせて送られる。
 二つ目は打って変わって可愛い系で、ピンクと白の縞々模様だ。パンツだけでなく、ブラジャーにも同様の横の縞々が入っている。一着目とはあまりにも印象の違う、派手な赤と比べれば遥かに普通の下着だった。
「うん。これが一番まともかな」
 三つ目は純白だ。無地の白色でこれといった特徴はなかったが、パンツには赤く小さなリボンが付いている。
 明日は純白、明後日はピンクの縞々を履くとして……。
 三日目には派手な赤を履かなくてはいけなくなる。
 もちろん過去に支給された下着も残っているが、それもそれで娼婦を思わせるような派手なものばかりで、中には穴あきさえもある。つまるところ、もしもエロ下着を避けて通りたければ、数少ないまともな部類をどうにか使い回していくしかない。
「えーっと、白を履いて明日洗濯して、明後日乾いて……。うーん……」
 使いまわしていくことを考えると、どうしても洗って乾かしてを絶え間なく繰り返さなくてはいけなくなる。まとめて洗濯をした方が作業的には楽なのに、小分けにして毎日のように洗濯機を使うとなるとそれも手間だ。
「しょうがない。別に誰かに見せるわけじゃないし、ヘンなのから先に履いておこうっと」
 ユノは赤の下着を試着した。
 春の身体検査でスリーサイズは予め測定されているので、基本的にはぴったりなものが届くことにはなっている。しかし、稀に手違いが起こることもある。必ず試着してサイズを確かめるように、との通達は全ての女子生徒に回っていた。
「やっぱ派手だなぁ……」
 ユノは鏡の前で自分のスタイルを確かめる。
 カップ部分が谷間を出しやすい形になっているせいか、ユノの大きな胸はブラジャーに引き寄せられ、中学生にしては発育の良い谷間が完成する。パンツもまるでTバックのようになっているので、布地が割れ目にぴったりと入り込み、丸いお尻が丸見えになっていた。
 ともかく、サイズは合っていたので次の下着に付け替える。
 純白のブラジャーはまたも谷間を形作り、胸元を強調している。
 それだけならよかったが……。
「――って、何これ!」
 部屋にはちょうど自分一人であったにも関わらず、ユノは思わず自分のアソコを覆い隠した。
 パンツの布は意外にも生地が薄く、鏡に写る恥毛帯がわずかに透けてみえていたのだ。鏡で毛がわかるのだから、じっくりと観察したなら割れ目の形まで確認できるだろう。まともだと思っていたパンツが、予想に反した卑猥さを備えていた。
「もう……! これは大丈夫かな?」
 白とピンクの縞々の下着を付ける。
「ぴったり! だけど、うーん……」
 ブラジャーはちょうどいい。やはり谷間が強調されているが、ユノに支給されるブラジャーは全て乳房の丸い上弦を見せやすい構造になっているのだ。
 パンツはややキツく、布がアソコに張り付いてくる。恥丘の形が浮き出て割れ目までわかる。お尻も肉もはみ出して、プニっとしていた。
「しょうがない。明日は派手なのにして、そのあとが白で……と」
 ユノはどの下着を何曜日に付けるかを決めていく。
 初めに派手なものを消費しておけば、普通の下着をあとまで残しておける。一週間のうち三日は我慢し、残りの四日を気軽な日、ということにする。それがユノが自分の中に設定していたマイルールだった。

 仙道キヨカに届いた下着は黒い布地で、白の縦ストライプの入ったフリル付きであった。
「まあまあ」
 鏡の前で試着して、サイズとプロポーションを確かめる。乳房はぴったりと収まり、紐もあまりキツくない。パンツは微妙にアソコの形が浮き出ていたが、着用に問題がなければ、あとは基本的にどうでも良かった。
 谷間が見えるのはユノと同じだ。
 お尻のあたりでゴムがキツく、肉がプニっとはみ出ることも支給品の下着では珍しいことではない。
 おもむろにスマートフォンを取り出して、タロット占いを表示する。
「悪魔の正位置、魅惑的な肉体」
 今一度鏡を見て、キヨカは自分の肢体を見つめた。
「とはいえ、これを使うことなんて……」
 キヨカは支給品の一つに疑問を抱く。
 ――コンドーム……。
 これを当然のように支給してくるのは、生徒同士の性的交友を推進したいからなのか。それとも万が一の時、女子が自分の身を守れるようにという配慮なのか。いまいち意図が掴めなかった。

 キャサリン・ルースはピンクのレース付きを試着していた。
「ふーん? 悪くはないわね」
 どちらかといえば可愛らしい桃色に、さしものキャサリンも気を良くする。
 だが、問題はお尻の部分がスケスケの生地になっていることだった。二枚重ねのティッシュペーパーを一枚に分けた程度の、桃色の薄い生地からはお尻の割れ目がくっきりとのぞけて見える。もし四つん這いになったなら、肛門まで見えてしまうことだろう。
「ブラはいいけど、パンツの方がいやらしいわね」
 キャサリンに支給された大半はピンク色で、生地のどこかしらが透けている。二着目など基本的な柄は同じだが、アソコの部分が透けていて、割れ目から恥毛帯まで見えてしまう。
 しかも……。
「こんなの使えっていうのかしら」
 コンドームはおろか、ローションやピンクローターまで支給されている。百歩譲って相手がいたとして、そういう関係にまでなっていたとしても、一体学園のどこで営みにふければいいというのだろう。確か、島の中にはホテルもあっただろうか。
 キャサリンはローターの紐を指で摘んで、ぶらさげるかのように手に取ってみる。
「使えって……いうのかしら」
 今なら、部屋には誰もいない。
 好奇心に押されたキャサリンはお試しのつもりでアソコにあてがい、スイッチを入れてみる。
「ひぁっ……! こ、これ……」
 ブゥゥゥゥン、と無機質な振動に刺激され、キャサリンは一気に快楽から抜け出せなくなる。震えるローターで割れ目を撫で、クリトリスにあたりに押し付けた。
「あっ、いい……わね。これ……」
 すっかり夢中になり、キャサリンは自慰にふけり続けた。

     *

「いやぁ、女子寮は今頃どんな様子でしょうな」
 社内のテーブルを囲む四十や五十代あたりの中年達が、満面の笑みでさも楽しげに語り合っていた。
「鹿島ユノには谷間の出るブラジャーを――最高のセンスです」
 中年達は手元のファイルで、顔写真の付いた女子生徒達の資料を見る。在校生の個人情報は全て学園の書類として保存されているが、女子生徒のコピーを彼らは学園から受け取っているのだ。
「キャサリン・ルースはピンクの下着に間違い無しです」
「同感ですな」
「ところで、仙道キヨカには次はパープルなんてどうでしょう?」
 キヨカのファイルを開いた眼鏡の男が提案する。
「ヘアカラーに合わせた色というわけですな」
「なるほど、イメージに合っていらっしゃる」
 一同はそれぞれ頷く。
「他にも、誰かに白と水色の縞々や苺パンツを履かせたいとは思いませんか?」
「では縞々はこの子が良いでしょう」
「苺パンツはロシウスのあの子に」
「ならば、黄色いパンツも支給しましょう」
 中年達は思い思いの下着を思い浮かべ、どの女の子に何が似合うかを語り合う。女子生徒に支給される下着はそうして決定されているのだ。
 彼らは気ままに語り合い、次の支給品を決めていく。
 そのおかしな内容の会議はスムーズに進行し、激しい討論に発展することもなく結論が出されるのだった。
「では次回の下着支給ではこのように致しましょう」
「また、これだけ多くの女子生徒がいらっしゃいます。となると中には経験済みの子もいるでしょうから、性交渉についてもアンケートという形で調査を行い、経験有りの生徒には挿入型のバイブを支給ということで」
「以上で会議は終了します。みなさん、お疲れ様でした」
 学園はこのような形で女子生徒を売り、その対価として経営費用の援助を受けている。
 それがLBX学園の実態であった。



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