アイラには金がかかっている


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 ――私に何をさせたいの?

 ガンプラバトルで勝利すること。
 今は彼女のマネージャーを務め、サポートや主治医も兼任しているナイン・バルトは、初めはただそれだけを要求した。
 ナインやフラナ機関の面々は彼女の有する『能力』を高く評価し、だからチームネメシスのメインファイターになってはどうかと、もう誘いをかけたはいつだったか。誘いに頷いたアイラに『能力』を何倍にも高めるスーツも着せ、そしてガンプラバトル大会に出場させた。
 だが、しかしそれには金がかかる。
 住居の提供や事務的な資金繰りもそうだが、アイラ・ユルキアイネンは予想外に食欲旺盛で食費がかかった。よく食べるアイラは勝手に出歩いては買い食いを繰り返し、日常的な食事量も多かった。
 それだけではない。
 アイラの『能力』を高めるための特殊スーツも、やはりそれなりのコストがある。高い技術によって製造する時点でもハイコストだったスーツには、さらに定期的なメンテナンスも必要となり、すると予想外の金がかかる結果となった。
 ガンプラ用の資金も重ねれば、さらに金が飛んでいる。
 さらなる要求をせずにはいられなくなった。
 アイラはそもそも、魅力的なのだ。
 感情は希薄だが、その美貌はたまらない。雪化粧のような白い肌はきめ細かく、指通りの良い艶やかな髪が美しい。プルリと揺れる乳房は年頃にしては大きなものだ。スーツを着せれば尻が浮き出て、丸みから割れ目のラインまで形がくっきりするのが情欲を刺激した。
 腰のくびれが良い。
 私服から剥き出しになっている肩が良い。
 とにかくたまらない。
 さらなる要求をせずにはいられなかった。

 ――いいわ。好きにしなさいよ。

 アイラの返事を聞いた途端、ナインはすぐにでも彼女を押し倒した。
 服を脱がせ、下着を剥ぎ取り、豊満な乳房を揉みしだく。体中を撫で回し、乳首を舐め、大事な部分を責め立てる。興奮しきった男の、しかし、いやらしげで滑らかな手つきによる愛撫は確実にアイラを感じさせていた。
 もっとも、感情はますます希薄だった。
 息遣いが淫らに荒れ、熱い吐息を漏らして頬を染めていく一方で、アイラはどこか自分を大事にしていないようにも感じられた。投げやりに体を許し、全てがどうでもいいと言わんばかりの無表情で、黙々とナインの愛撫を受け入れる。
 秘所を指責めし、クリトリスを刺激して、愛液を絡め取るようになぞってやると、少しは喘ぎ声をあげていたが、それも小さなものに過ぎなかった。
 秘裂へ腰を押し込み、初めてを奪った時は、さすがのアイラも破瓜の痛みで苦悶の表情を浮かべていたが、やはりそれだけに過ぎない。普段もそうだが、ベッドの上でもアイラは感情を表に出さず、情の薄いクールな仮面を大人の前では被っている。
 果たして、アイラに別の顔はあるのだろうか。ナインやフラナ機関での顔とは違う、実は明るくてハキハキした一面でもあれば面白いが、きっと、ここでは最後までチームネメシスとしてのアイラでしかないのだろう。
 もっとも、ナインにとってもどうでもいい。
 課した義務さえ果たされれば構わない。
「出すぞ。アイラ」
 もちろんコンドームはつけているが。
「…………はい」
 アイラはまるで事務的に頷いた。
 脂汗をかきながら、初体験を済ませてさえも感情というべき感情は見られない。あくまでの表面上のやり取りで、ただ、熱い精を注いだ一瞬だけ眉をピクっと動かし反応していた。

 アイラは人形のようになっていた。

 それからというもの、夜の関係を迫ると、アイラは黙ってそれに従う。
「服を脱ぎなさい」
「わかりました」
 淡々と答えて黙って脱ぐ。
 全裸となったアイラは、恥じらい気味に頬を染めてはいたが、表面上の仮面は取らない。隠すことなく、全てを曝け出してくれた。
「さて、今日はどうしようかな」
 柔肌をそっと撫で、指先で丸い乳房を持ち上げる。プルプル揺らし、たぷんと指にかかってくる乳の重さを楽しみつつ、乳首へ触れた。
「んっ……」
 初々しく反応する。
「どうだ? 感じたか」
「べ、別に……」
 こういうことを認めるのはさすがに恥ずかしいらしく、感度について尋ねるとアイラは顔を背けてしまう。
「アイラは可愛いね。口でしてもらおうか」
「……はい」
 屈み込み、ナインの肉棒を咥え込む。
 黙々と頭を前後に動かし始めた。
「――んちゅ――ちゅぅぅ――くちゅ――」
 アイラは唇の奥までそれを飲み込み、嬲るようにねっとりと舌を這わせてくる。根元から先端まで、黙々と舐め上げてはしゃぶり込む。温かな口内に射精欲求を引き出され、ナインはすぐにアイラの頭を押さえつけた。
「飲んでくれるな。アイラ」
「ん、んん――ごくん」
 熱い白濁を放出すると、アイラは一瞬だけ苦しげな顔になる。苦いのか、青臭いのか。男自身は知らないその味をアイラは飲み込み、喉奥へ流し込んだ。
「どうだい? アイラ」
「どうって……」
「美味しいか?」
「……いえ、そういう味では」
「まあ、だろうな」
 ナインはゆっくりとアイラを寝かせ、下の口へ手を伸ばす。敏感な部分を指で捏ねくり、愛撫すると、アイラは一気に顔を染め上げ、息を淫らに荒くした。
「――っ! つはぁ……」
 刺激のたびに肩を弾ませ、アイラの秘所は涎を垂らす。
「アイラはエッチだね」
「そ、そんな……」
「ほら、こんなに濡らしているじゃないか」
 耳元へ囁くと、その分泌量はますます増えた。
 ナインはひとしきり秘所を苛め抜くと、再び膨れ上がった肉棒をそこへあてがう。入り口へぴったりと亀頭を当てると、迫り来る挿入の気配にアイラは身を硬くした。
 初体験を済ませたあとでも、やはり緊張するものらしい。
「もう痛くはしない。気持ち良くなってもらうからな」
「――んぁああ! あぁ……!」
 肉槍で奥を貫くと、アイラは大きく背中を仰け反らせた。
「気持ちいいか? アイラ」
 ナインはひたすら腰を振る。
 そして……。

 ドク! ドクン――ビュル!

 射精と共にアイラはぐったり果てていった。




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