催眠教師は瞳佳を犯す


目次に戻る

 柳瞳佳が銀鈴学院高校に転入できたのは、前の学校を退学になって、次の学校探しに難航していたときだった。
 そんなとき、あっさりと受け入れ可能を打診してきたのが銀鈴学院だ。
 名門中の名門で、おそらくは百合谷市の名前は知らなくても、この学校の名前は聞いた事がある者は多いであろう、高偏差値の進学校だ。
 簡単ではないが飛び抜けて難しいわけでもないテストと、逆に簡単だった面接だけで、トントン拍子に入学許可が出たのだが、ふと瞳佳は気づいていた。
 そういえば、どんな面接だっただろうか。
 誰といつどんな言葉を交わしたか。もちろん正確に思い出すのは無理があっても、ある程度のおぼろげには、印象的な会話内容は思い出せるはずである。まして面接でのやり取りで、運良く転入先が決まったわけだから、もっと聞かれた質問について記憶があってもいい。
 それが完全に欠落して、面接を受けたはずだという事実以外は、何一つ思い出せないことに気がついて、そして瞳佳は――。

 だから何だというのだろう?

 何ら一切、疑問というものを抱かなかった。
 転入できだ。それでいいじゃないか。
 せっかく運良く入れたのだから、今度はきちんと卒業まで高校生活をしたいと思っている。それが瞳佳の全てであり、面接中に起きた出来事などどうでもいい。
 瞳佳は完全に無自覚だった。
 そういえば記憶がない、思い出せないという点に気がついて、まるでそれがスイッチであるように、だから何だ、どうでもいいじゃないか、といった気持ちが溢れる水のように胸の内側に沸き出して、結果として何も気にしていない。
 言ってみれば、矢印が向いた瞬間、それを逸らすべくして、あらゆるものが一瞬にしておびただしく沸いて来る。
 面接の内容に意識を向けさせない、そんな仕掛けが瞳佳の心には施されているのだが、瞳佳自身がそれを自覚することは不可能だった。
 しかし、唯一それを思い出すことの許される時間がある。

 ――奉仕活動。

 学校探しに苦労して、そんな瞳佳の身の上を救った以上、その学校の先生に対する労いの活動が義務付けられる。転校生としては『当たり前』なのであり、欠片の疑問さえ抱く必要のない奉仕活動の内容は、面接官を勤めた先生方に対する性的なサービスだった。
 
 ここだ。
 先生から呼び出しを受けたのは。

 ここは旧校舎。学校の創立当初に礼拝堂と共に建てられた、二階建てのレンガ造りの校舎だ。
 今は一階の職員室と事務室関係以外は臨時にしか使われていない、そんな校舎の二階。板張りの廊下に並んでいる空き教室の一室として、指定の部屋はあった。
『授業中』
 そう文字のプリントされた紙が、セロハンテープで簡易的に貼り付けられ、前後の廊下にも同じ『授業中』看板が立ててある。そちらの看板の方は、トイレの清掃中を示すものと、文字内容が違うだけで物としては同一だった。
 指定教室の戸に指を引っ掛け、がらんとスライド式に開いていき、その中にいた先生達を視界に入れながら、挨拶と共に入室する。
 そして――。

「じゅるっ、じゅむぅ――じゅずぅ……ずじゅるぅぅ…………」

 まるで映画のシーンを切り替えて、いきなりその部分に飛ばしたように、気がついたら瞳佳は口に太い一物を咥えていた。
 え?
 あれ?
 当然あるべき疑問や戸惑いは、たった一瞬浮かんだきりで、急速に沈んでいき、別に自分は当たり前のことをしているだけじゃないかと、そういう感情の中で頭を前後に動かした。
 そう、面接でもこうした。
 面接中は何故だかやたらとぼんやりして、目の焦点がどこにも合わず、視界でさえもぼやけたレンズ越しのようになっていた。ロウソクの火だの、五円玉を紐に通した振り子だの、催眠術に使いそうな小道具の存在は記憶にあるが、あと他に思い出すのはフェラチオだ。
 当校に対する感謝や誠意といった気持ちを自分なりに表現しなさい。
 面接の中でそう言われ、瞳佳は自分のやるべきことを知っていた。相手の股座につき、この手でベルトを外して、肉棒をつまみ出し、口を使った奉仕によって転入への思いを表現するべきと、誰に教えられるでもなく知っていた。
 奉仕活動の最中だけは、そんな面接での記憶が、スイッチの切り替えで記憶にオンオフでもかけているかのように蘇る。
 これくらい、普通だ。
 何ということはない、ごく当然の奉仕活動ではないか。
 だから疑問や抵抗感といったものはなく、当たり前に口を大きく開く瞳佳は、ちょっとした顎への負担と、口呼吸が出来なくなるようなサイズが出入りしていることを感じつつ、本当に生真面目な思いで、生徒としての『活動』に励んでいた。
「はぶっ、じゅむるぅぅ――じゅずぅぅぅ――――」
 こうしていると、まさしく今の自分は男に尽くしていると、そういう実感が沸く。
 仁王立ちの教師に対して、瞳佳といえば正座の姿勢で床にべったり膝をつき、頭を前後に動かす肉体運動の都合上、尻が少しだけ浮いたり浮かなかったりしている。
 直立する相手を前にして、膝を下につけているのは、それだけで身分の違いが証明されている気持ちがして、だけどまあ自分は生徒で相手は教師だ。目上への奉仕である以上、これくらいのマナーは別に普通で、言ってみれば正しい敬語を使うことと変わらない。
「ずむぅぅ……ちゅるるっ、じゅりゅぅぅぅぅ――」
 きちんと活動をこなすため、よく舐めて、よく刺激を与えていた。
 射精の段階になれば、それを腹に収めてみせた。
「なかなかいい子だな」
「マンコもこなれて来てる」
「こんな使える子を退学とは」
「勿体ないことをする学校もあるもんだな」
 教師達の会話内容が、ほとんど瞳佳の耳には及んでいない。
 ああ、褒められている。きちんと取り組んでいるから、評価されている。
 瞳佳の先生に対する認識は、そういったものだった。

「表面をまんべんなく舐め尽せ」

 そう言われれば、瞳佳はその通りに取り組んだ。
 ベロベロと舌を動かし、舌先で唾液を塗り伸ばして、根元から先端にかけて舐め上げる。竿の部分をよく舐める。どこもかしこも、唾液のついていない部分をなくすため、さらには必要以上に染み込ませるため、舐めることだけに夢中になった。
 大胆な舌使いは、どう見てもペニスが大好きな淫乱そのものの動きをしているが、瞳佳の表情にそういった下品さはない。
 これを授業か何かと思い込んだ優等生が、きちんと課題をクリアしようとしている。そう例える以外にないほど、真面目そのものの顔立ちは、仮にも性行為に及んでいることで、少しは赤みを帯びていた。
 舐めるだけ舐め尽し、男側に射精感が込み上がると、やがて瞳佳は「飲め」という指示から精液を飲み下す。
 今の胃袋には少なくとも、コップ数杯分の白濁が収まっているはずだった。
「で、次はどうする?」
「輪姦ごっこばかりでも芸がないし」
「アナル使えるようにするか?」
「うーん。感度調教」
「そうするかねぇ」
 教師達はあからさまに、性処理道具の扱い方について言い交わしていた。
 そして、瞳佳の認識はやはり、先生達は自分の取り組みに関して意見を交わし、生徒への評価を下しているのだと、頭の中ではそういうものに変換されていた。
「ってことで、気持ちよくしてやる。全部脱げ」
「はい……!」
 命令的なニュアンスで言われれば、瞳佳は即座に従った。
 真新しい制服のリボンを解き、スカートも脱ぎ去って、そのまま下着姿から全裸にまでなった瞳佳は、教員達の手にされるがままに横たわり、手という手の数々による愛撫を一身に受け止めた。
「あっ……! うん……!」
 すぐに喘ぎ始めていた。
 この場にいる全員のタッチは技巧的で、なおかつ経験に溢れている。乳をまさぐる手つきから、上半身は甘い痺れに煽られて、アソコの方もねっとりと愛液を分泌する。
「気持ちいいか?」
「は、はい……!」
「いっぱいイカせてやるからな」
「はい! よろしくお願いします!」
 男全員で一人の女子生徒にたかっているのは、みんなでマッサージを施す奉仕を女の子にしてあげている光景とも、逆にみんなで一つの玩具を弄んでいるとも言える。教師陣達本人の気持ちとしては確実に後者だった。
「ひっ! ひぁぁぁぁ……!」
 膣に指を出し入れすれば、腰が自然と持ち上がる。くねるように胴がよじれて、両腕にも両足にも迸る快感の電流が、四肢を全て痙攣させる。
「――――――あッ!」
 気軽な遊びとして、いとも簡単に瞳佳は絶頂に導かれた。

     ***
 
 夜になって、柳瞳佳はベッドに潜る。
 星見寮という名前の女子寮の個室は、入り口から真っ直ぐ通路状のようになっている部屋に沿って、物入れ兼クローゼットと、ベッドと勉強机が一直線に並んでいるだけの、細長くてシンプルなものである。
「うぅ……眠れない……」
 布団の中に入ってから、何十分もあるいは何時間も、なかなか眠りの底に落ちることができずにいた。
 ありていに言えばムラムラしていた。
 今日の奉仕活動では、自分はどんなことを行って、何をして先生達に褒められたのか。何一つ思い出せもしなければ、そして記憶がないことを疑問にも思わないでいる瞳佳は、敏感に開発された肉体の耐え難い疼きを持て余す。
 朝になれば、身支度をして、点呼を取り、それから朝食。
 授業日程が待っているため、できればさっさと寝るつもりでいたのだが、もうここまで眠れないまま時間が過ぎては仕方がない。
「……するしか、ないか」
 諦めたように、あるいは欲にかられたように、瞳佳はパジャマズボンを脱いでいた。
 一応、手を洗う。
 ベッドに戻り、オナニーのために手を触れる。
「――んっ!」
 思いもよらぬ刺激に驚いて、瞳佳はすぐに自分の手を引っ込めた。
 おかしい、そんな馬鹿な。
 驚きと困惑が隠せないほど、まるで強烈な電流でも流されたような、それが背骨の神経を通じてうなじにまで巡ってくるような刺激に全身が反応した。それにショーツの表面が初めからしっとりとしていて、これから濡れだくになる前兆を見せていた。
「私って、そんなに……」
 そんなにも、欲求不満だったのか。
 自分がどれだけ調教され、性感帯が開発されているのかも知らない瞳佳は、自分自身の反応についてそう解釈するしかない。
 ごくりと、息を呑んだ。
 この自分の指だけで、こうも大きな快楽を得られるのだ。
 そう思うと、ますます気分が高まっていた。
「んっ! んぁぁぁ……!」
 瞳佳はすぐにのめりこんだ。
 正常位を想像しているわけではないが、そのように横たわり、脚をM字に開いた姿勢で、下着越しの秘所を活発に愛撫している。
 繊維の表面を指の腹でわずかに擦っていた感覚が、すぐに湿り気を帯びたものとなり、ぬかるみは急速に増していく。少しでも指を離せば、透明な糸が数本以上は引くほどのぬるりとした感触は、もう布地ではなく粘液を伸ばしたヌルヌルの部分に触れるものでしかない。
「あっ、んぅ……んっ、んんぅ……!」
 激しい身悶えによって、瞳佳は髪を振り散らかす。
 もっと感じたいとばかりにショーツを脱ぎ、膣に指まで挿入して、もう片方の手ではクリトリスを弄り抜く。
「あっ! あっ、あぁ……あぁぁ……!」
 片膝にショーツを引っ掛けたM字開脚の両足が、脚の筋肉を痙攣のように強張らせ、足首が上下に反り返る。快感の刺激に合わせて、ゆらゆらと角度を変え、微妙に開閉している脚は、気持ちいいせいで走る電流がほとんど充満しきっていた。
 瞳佳はオナニーにとり憑かれた。
「あぅぅぅ……! んっ、んひぃっ、いひぁぁ……!」
 快楽を貪ることだけに夢中になり、喘ぎ散らした声が部屋の外まで聞こえる可能性など考える余裕もない。
「――ん! んぅぅぅぅう! んぅぅ!」
 そして、イった。
 突如として頭が真っ白となり、もうわけがわからなくなった瞳佳は、これが絶頂なんだと果てた数秒後になって理解していた。
 まだ、したい。
 疼きの収まりきっていない瞳佳は、イキたりないとばかりにもう一度アソコを弄り、それからもう何度かだけ絶頂して、やっと眠りについていた。

     ***

 そして、奉仕活動において柳瞳佳は教師との性交に及んでいた。
 膣肉をよくほぐし、愛液で濡れきったその部分へと、さらにローションをまぶしたコンドーム装着の肉棒が挿入されている。
 制服を脱がない着衣プレイだった。
 ショーツも完全に脱ぐというより、片足に引っ掛けて、膝のあたりに絡んだままとなっている。
 制服を着た女子と交わることで、より一層のこと生徒を犯している実感に浸る教師は、普通に挿入するよりも興奮していた。
「――んっ、あぁっ、あぁぁっ」
 肉の塊が身体の穴に入り込み、出入りしている感覚は、瞳佳にとって若干の息苦しさと圧迫感を覚えるものだが、ローションと愛液が絡むにつれて、しだいにこなれて馴染んでいた。
 これは『当然』の活動で、言ってみれば『授業』と変わりがない。
 自分に向けて腰を振り、満足そうにしている教師の顔を見て、瞳佳の心に浮かぶ気持ちは安心感だ。
 自分では自覚していなかったが、瞳佳は恐れていた。
 そう、退学だ。
 実際の生活では非行と縁のない生徒だった瞳佳にとって、退学という重い処分を受けたという事実は、自分で思っている以上にショックの大きい出来事だった。なので、過ぎたことは気にしないようにしていたつもりだが、また同じになるのではないかという恐れは、意外にも精神の深い部分まで根を張っている。
 その恐れを和らげるのが、転校生だから課せられる奉仕義務と、それによって自分がきちんと生徒として評価されている事実である。
 銀鈴学院高校とは、つまり行き場のない瞳佳を拾ってくれた恩人に近い。
 教師が自分の肉体で満足するのは、瞳佳の中に潜む潜在的な不安を和らげ、大いに安心させることとなっていた。
 だから、もっとして欲しい。
 もっともっと感じたい。
「これはだいぶ、いい顔になってきたな」
 ああ、褒められた。
 そのでいで、もっと感じる。
「あ! あん! あぁん! んぁっ、はぁん!」
 じっくりと抉らんばかりのストロークは、深い部分までみるみる迫るように貫いて、根元がぶつかるたびにバウンドのように腰を引く。亀頭がギリギリで抜けない位置まで肉棒が後退すると、膣壁は狭間を狭めて穴を閉じ、その締まった穴をまた押し広げるため、ずっぷりと奥まではめる。
 十分間は続いたピストン運動で、やっとビクビクと射精の気配を見せ、ドロっとした白濁の量が瞳佳の膣内でコンドームを膨らませた。薄さと破けにくさの両立されたゴムを介して、粘性を含んだ液体の熱さを膣に感じた。
 もちろん一人では終わらない。
 また次の教師が瞳佳に相手を求めてくる。
 異なる体位の要求に応じるため、一度立ち上がった瞳佳は、机に両手をついた。手の平と肘がべったりとくっつくような形にして、上半身の角度を沈めることで、バック挿入のために尻を捧げた。
 次の挿入が行われ、瞳佳は大きく仰け反った。
「くふぁぁ……!」
 激しい快感に耐え切れず、上半身はほとんど机に投げ出して、瞳佳はただただ突かれて喘ぐばかりとなった。
「あっ、あう! あふっ、むふぁ……!」
 瞳佳から、挿入者の顔は見えない。机に頬を擦り付けて、教室内の壁の景色以外は視界に加えることができない状態で、お尻に腰のぶつかる音が、パンパンといい音色で響いていた。
 瞳佳の膣肉はピストンに合わせて力が入る。
「んっ、んぁ――あぁ――はふぁぁ――!」
 まるで捕らえた肉棒を逃がしたくないかのように、下腹部にある筋力の限り、ぎゅうっと締め付ける。それでも愛液とローションで滑りが良すぎて、それだけ力を加えても、あっさりと肉棒は後退する。
「いいぞ? いい締め付けだ」
 締め付けていると褒められる。評価される。
 そして、次の瞬間だ。

 パン! パン!

「あっ! あ!」
 軽快な打撃の音に合わせて瞳佳は鳴いた。
 それはスパンキングだった。
 瞳佳にはわかる。趣味趣向というのもあるだろうが、これは乗馬選手が馬に鞭を振るのと同じ話だ。瞳佳のことを乗りこなし、使いこなし、性処理道具として使い倒す。この役目は卒業まで続くのかもしれない。

     ***

『ひどいひどいひどい! なにあの先生達! 瞳佳ちゃんもいつになったら気づくの? もう何度も何度も、ああいうことされてるんだよ? 何度も何度も何度も! ひどいひどいひどいひどいひどいひどい!』

「……え、私って、なにされてるの?」

 最後まで、瞳佳は何も知らずに終わった。
 気づきかねない瞳佳の様子を悟った教師達は、今までの映像を納めたビデオカメラのデータを共有して、それぞれ大事にパソコンフォルダに保存して、あとはもう何もなくなった。
 自分がもう処女ではないことを瞳佳は知らない。




目次に戻る

inserted by FC2 system