二人の仲 マナりつ


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 夕暮れの下――。
 マナと六花はお隣同士……というわけではないが、そう言っても差し支えないほどのご近所同士である。マナの家から路上階段を降りていくと、すぐ右手に一家の一軒家が見えてくるのだ。
 同じ帰り道を歩くときはいつも家の手前で別れている。
 しかし、たまには別れない時もある。
 なんとなく、そういう気分になった時だ。
「はーあ、うちは今日も一人よ。今夜はちょっと寂しいかなー」
 わざとらしい言葉をマナに投げかけ、六花は遠まわしのサインを出す。
「ほほう? 良いのですな? 六花さん」
 その誘いの意味にマナは異様にニヤついた。
 六花の家には両親がいない。母親は医者で忙しく、父親も写真家として海外で活動しているので、ほとんど一人で過ごすことが多いのだ。二人きりになるには、六花の家ほど適した場所は他になかった。
「欲しそうにしてたのはマナの方でしょ?」
「えへへ、かもねー」
 マナは六花の肩を抱き寄せ、ちらりと周囲を見渡した。六花も同じように辺りを見回し、人目がないのを確認する。
「仕方ないから、マナの相手をしてあげる」
 六花はそっと目を瞑り、唇を差し出すかのように顔を上向きにする。
「そうこなくっちゃ」
 マナはその唇に向かって、自分の唇を重ね合わせた。
 長いキスになった。
 柔らかな二人の唇がふんわりと絡み合い、優しい口付けから、しだいに激しく求め合う。マナは六花の頭を両手に捕らえ、六花もマナの背中を抱き返し、お互いに舌を絡ませ合った深いキスに浸っていった。
「ん、マナ……」
 六花の口周りが、マナの唾液に濡れる。
「愛してるよ。六花」
 マナの舌先からも、六花の唾液が糸を引いた。
「私も、マナが大好き」
 六花は身を預けるようにしてもたれかかり、マナの胸元に顔を埋めた。マナはそれを強く抱き止め、苦しいほどに締め付けた。

 二人だけの世界に浸っていた。

 マナにとって、六花は他に代えがたいほどの大切な親友で、プリキュアとしても生徒会長としても相棒だ。
 六花にとっても、マナは放っておけない存在である。
 お互いの家に寝泊りすることなどしょっちゅうだったが、しだいに風呂も一緒に入り、裸を知る仲になり、二人の親密さは出会ってから今までにかけて、少しずつ、少しずつ深まっている。
 今ではとっくに肉体関係に進んでいた。
「それじゃあ、行きましょうか」
 六花はマナを家に上げ、部屋へ招いた。
 もっぱらマナの方から押し倒してくることも多いのだが、六花が自らサインを出して部屋へ呼び込むパターンもそう珍しいものではない。
 部屋へ着くなり、マナはさっそく六花をベッドへ寝かせた。
「ではでは、お楽しみを始めましょうか」
 マナのニタっとした笑い方は、クラスにいるエッチな男子にも勝るとも劣らない。下心満載の実にいやらしい笑みである。女の子がこんなにも、美味しい獲物を前によだれを垂らす品のない獣の顔をするなんて、それはそれで、さすがは王子だ。
 幸せの王子から金箔を剥がし、人々の元へ運んでやるのが童話のツバメの役目だが、たまには逆も悪くない。
 六花の方が一枚ずつ服を剥がされ、マナの手で裸にされる。
 下着を外され、乳房を見られる瞬間が六花はむしろ好きだった。
「ふひひっ、六花のおっぱい」
 軽やかな手先で乳房を包み、揉んでくる。
 普段なら、マナは自分をしょっちゅうすり減らすが。
 こうしてベッドにいれば、六花は自分の体を許してやれる。まるで六花の方自分の体の金箔を剥がし、マナに与えてやれている気持ちになれて幸せだ。ニヤニヤしたマナにいいようにされていくのが、気持ち良かった。
「乳首が可愛いですなー」
 硬くなった乳房の頂点を指に摘んで、マナは楽しげに苛め抜く。
「……もうっ、言わないで」
 途端に恥ずかしくなって、六花は顔を背けた。
 そんな六花に対して、マナは全く容赦がない。
「どうしてこんなに硬いのかなー?」
 顔を背けたその耳元に向かって、マナは意地悪く囁くのだ。
「そ、それは……」
「どうしてかなー?」
「………………気持ちいいから」
 六花は小さく答えた。
「なにが気持ちよくて乳首が硬くなっちゃったのか。もう少し詳しく言ってみよう?」
「なによもう、マナの意地悪……」
 軽く睨んでやると、マナはますますニヤついた。
「さあさあ」
 そして六花の顔を覗き込み、はっきりと言葉にするようせかしてくる。
「マナにおっぱい揉まれて……。気持ち良くなったから」
 躊躇いがちに口にすると、マナは勝ち誇ったような表情で喜んだ。
「だったら、もっと気持ち良くなりたいよね?」
「……なりたい」
 マナになら、どんなことでもされてしまいたい。
 どんなことでも……。
「して欲しい。もっといっぱいしてよ。マナ」
「うーん。なにをどうして欲しいのかな?」
「意地悪っ、アソコ触って!」
 六花は赤面しながらマナを求めた。
「仕方ありませんなー」
 マナは六花のショーツを脱がしていき、大股開きになるよう足を持ち上げ、六花の下腹部を上からじっくり覗き込んだ。
「マナ……! こんな姿勢……!」
 全ての恥部が見えてしまう、恥ずかしいポーズだ。
「えへへっ、すぐにグチュグチュにしてあげる」
 マナの手が、六花の秘所を愛撫した。
「そんな……! ああぁ……」
 二つの恥穴を見られながら、大事な割れ目をなぞられる。巧妙なマナの指先はすぐに肉芽を突起させ、六花のクリトリスを敏感にしていった。
「ほら、濡れてきたねぇ?」
 滲み出る愛液を塗るように、指のお腹でぐるぐると撫で回す。
「だ、駄目ぇ……! マナぁ……!」
「ほらほら、指が入っちゃうよ?」
 真っ直ぐに立てられた中指が埋め込まれ、出し入れされる。かき回すようなピストンで膣壁を責め上げ、もう片方の手でクリトリスを撫で上げる。
「あっ、いいっ!」
「お尻の穴がヒクヒクだよ?」
 マナはそんな部分を視姦して、今にも視線を注いでいるのがわかるようにと、自分の顔を見せつける。
「そんな場所――! 見ないでぇ……」
「だーめ。もう見ちゃってまーす」
 ふぅーっと息を吹きかけられ、耳まで熱くなってくる。
「意地悪……!」
 もうまともに顔など見せられないほど、六花の表情は羞恥に歪み、自分の顔を覆い隠す。
「お顔が見えないよー」
「もう、マナってばぁ……」
 とことん、マナは容赦がない。
「可愛いよ? 六花」
「……こっちは恥ずかしいだけよ」
「愛してるよ?」
「ご機嫌取り」
 六花は頬を膨らませた。
「私の愛の鼓動は聞きたくない?」
「………………聞きたい」
「よいしょ。じゃあボチボチ脱ぎますか」
 マナも服を脱ぎ始め、スカートを脱ぎ捨てる。
 背中のホックを外し、ブラジャーを取り去る瞬間。
 ショーツを下げて、足首から引き抜く瞬間。
 全てから目が離せなかった。
「じーっと見てたね。六花のえっち」
「マナに言われたくありません」
 人の体を物欲しそうに眺め回し、いやらしい目を向けてくるのはいつもマナだ。そんなマナからエッチだなどと言われるのは心外だったが、しかし否定できるわけではない。
 裸のマナが被さってくる。
 自然と胸の方へ目がいって、そこばかり見てしまう自分がいる。
 これでは確かに、六花もなかなかエッチだと言わざるを得ないのだった。
「触りたいでしょ」
「それは………………。まあ、ちょっとは」
「揉みっこ揉みっこ」
 マナは再び六花の乳房を包み、六花も柔肉へ手を伸ばす。マナの方こそ、既に乳首は硬く尖りきっていた。
「マナこそエッチ」
「だって六花が可愛いんだもーん」
 面と向かって言われると照れくさい。
「……もうっ」
「へへへっ」
 やっぱり、マナには敵わない。
 マナが食べる側、六花は食べられる側の存在なのだ。
 首筋に吸い付くのを黙って受け入れ、皮膚にキスマークを付けてもらう。所有者に刻印でも入れられた心地がして、しかし悪い気はまるでしない。自分がマナのものである証拠のように思えて、首筋に残った唇の感触が愛おしかった。
 乳房を押し付け、潰し合う。
 六花はマナの背筋に手を這わせ、腰へ向かって手の平をスライドさせた。さらのその下、小さな丸い割れ目を撫で、その柔らかい肉を揉み始めた。
 すごく、指が深く沈んでいく。
 病み付きになりそうだ。
「んちゅぅぅぅ」
 唇を貪られ、とろけた六花は目を細めた。
 心地がいい。
 マナにこうして抱かれていると、心臓までとろけてしまう。

 ああ、マナ。
 最高――!
 もっと、もっとして!
 ――マナ!

 マナの手淫に責め立てられ、六花は息を乱してよがり狂う。
 途中からは姿勢を変え、お互いの股間を貪り合うよう逆さまに密着しあい、六花もマナのアソコにしゃぶりついていた。縦筋を舐め上げ、クリトリスを指で刺激する。染み出るツユに、マナも自分の手で感じてくれているのだと実感が沸き、高揚感がますます高まった。

 ――マナ! マナ!

 まるで天国だ。
 マナの舌がアソコをなめずり、唾液をまぶしてくるのが心地いい。甘い痺れが強まって、触れれば触れられただけ快楽が弾け出す。
「――ん! んあぁ! あぁ――マナぁ!」
 六花の喘ぎ声が天井まで響いていた。
「六花ぁ――! 私も気持ちいいよ? すっごく――キュンキュンしちゃう!」
「マナぁ――!」
「六花ぁ!」
 お互いの名前を呼び合いながら、

「――ひっ、ひあぁぁぁああん!」
「――り、六花! イっちゃう!」

 ぷしゃああぁぁ、と。
 霧吹きを撒くような噴水が飛び散って、二人は同時に絶頂した。
 疲弊感と余韻に落ちた二人は、無用な言葉を交わすことなく静かに抱き合う。その体温でもって温めてやるように、六花は優しく背中へ手を回し、マナは胸へ顔を埋めてそれに甘えた。
「んにゃぁ、六花ぁ……」
「なーに?」
「――愛してる」
「うん。知ってる」
 マナがどれだけ、六花に特別な感情を向けてくれているのか。
 知らない六花ではない。
 だから、マナがまこぴーに夢中になろうと、ことあるごとにレジーナの名前を口にしていても、心の底ではマナのことが信頼できた。
 最後には必ず六花の元でこうして眠る。

 ちょっとぐらいの浮気は許せてしまうのだった。






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