睾丸寄生ノイズと風鳴翼


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 天羽奏の殉職から、まだ数ヶ月も経たないうちに新種のノイズが発見された。
 男性寄生型ノイズ。
 特定の原因は存在せず、前触れもなく突発的に発生する。精巣内部に住み着く極小ノイズは、潜伏期間を経て男性を炭化させ、一瞬にして死亡させれしまう。
 その除去方法を発見したことから、政府による告知が行われたものの、実際に除去に訪れる男性は、年に数人もいれば良い方であろうことなど、初めから予想されていた。
 必ずしも自覚症状はないため、まず非常に発覚しにくい。寄生型自体の珍しさもあり、被害者の絶対風からしてまた少ない。心配になって検査を受ける者こそあれど、本当に除去を行った回数は十回にも満たない。
 それでも――。

 風鳴翼は男性の相手をこなすことになった。

 というのも、寄生型の除去方法にはシンフォギア装者の喘ぎ声が有効であり、なおかつ男性を射精に導く方法が最も確実という研究成果が出たからだ。

 ――私はこの身を剣(つるぎ)と鍛えてきた。
 ――ならば、これも定めということか……。

 風俗で働くわけでもないのに、まさか初めて出会う男の相手をする立場になるなど、生まれてこの方想像したこともなかったが、それがノイズへの対抗手段というならば、翼は甘んじて愛撫を受け入れていた。
「っはあ、あっ、んぅ……」
 天羽々斬を纏った姿で、ベッドに仰向けとなる翼は、名前も知らない男の指にまさぐられ、全身をよじっている。
 相手は当然のように一般人だ。
 シンフォギアを纏う者の存在は完全に秘匿している。機密保持に関する説明を行い、漏洩が発覚した場合は罰則を与える条件の下で、男はたどたどしく愛撫を行うのだ。
 サラリーマンである彼は、およそ三十歳あたりだろうか。
 初めのうちは遠慮のあった手つきだが、しだいに活発に胸を揉み、風鳴翼とセックスができる状況を楽しみ始めていた。
「いやぁ、君も大変だねえ? まさか、こんな治療法があるなんて」
「ノイズを除去するためですから、問題はありません」
 そう、無用は恥じらいなど剣には存在しない。
 これはノイズとの戦いであり、敵を駆除するための手段に過ぎない。
 この身を剣としてノイズを斬る。
 ただそのためだけの過程……。
「偉いねぇ?」
 レオタードや競泳水着によく似た構造の、露出した内股へと手が伸びる。
「むっ、うんッ……くあっ、あぁ……!」
 軽やかな指遣いが、秘所を優しく責め立てる。
 濡れてくるのに時間はかからず、男はやがてズボンを脱いだ。
「挿れるからね?」
 断りを入れてから、布をずらして挿入される肉棒が、翼の膣内を貫く。
「あっ! ぐあぁぁ……!」
 ほとばしる刺激に仰け反った。

 ――この快楽がノイズを斬る。
 ――私は私の使命を果たすまで!

 己に課せられた『使命』のために、翼は膣肉に力を加える。下腹部の筋肉でどこまでも肉棒を圧し込み、ピストン運動によって走る甘い電流に腰をくねらせ続けていた。
「あっ! あふぁ……! んっ……ぅっ、ぬふぅぅ……!」
 そこにいるのはノイズだ。
 本当の意味で男と寝ているわけではない。
 翼の心にあるのはあくまでも、ノイズとの戦いであるという想いと、ここがベッドにあらず戦場なのだという考えだ。

 ――必要なのは、この声とこの肌だ。
 ――いくらでも鳴いてやる!

 その瞳に戦闘意思を宿した性交など、翼だからこそだった。
「いッ、いひぁ……っふ、むうん……!」
 意義のある行為だと、どこまでも真剣に考えて、真面目に喘ごうとする姿は、果たして男の目にはどう映るか。
 ただ積極的に快楽を求める女としか見えないのかもしれない。

 ――否ッ、そんなことは構いはしない!
 ――私とて滅すべきノイズしか見ていないのだからッ!

「――あっ! あうっ、あああん!」

 絶頂とタイミングを同じくして、熱い射精が膣内を白濁に汚す。
「……済みましたら、抜いて下さい。検査の後、ノイズ除去が確認できれば終了となりますので」
 たった今まで喘いでいた翼の事務的な顔。
「あ、ああ。そうだね」
 サラリーマンの彼は後始末を済ませ、その後の検査でノイズからの解放が確認された。

 こうして、二年間のあいだに十二人ほど、翼は男達の相手をこなしていった。




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