ハミィの全裸検査


目次に戻る

 広大な宇宙の中では、惑星同士で行う星間戦争といった危険宙域も存在する。
 そこへ足を踏み入れてしまったキュウレンジャーから、一人の戦士が囚われの身となってしまった。

 ハミィ。
 カメレオングリーン。

 敵対国の兵士ではないかと疑われ、圧倒的兵力によって捕獲された彼女の状況は、既に変身アイテムを奪われて、何人もの兵士から銃口を向けられている。
「脱げ」
 命じるのは司令官の立場にある男だ。
「こんなところで脱げとか、超ウケるんですけど?」
 ハミィが反抗的な態度を見せるや否やだ。
 司令官は指と顎で合図を出し、一人の兵士に発砲を促して――

 パァン!

 まるで膨らませたビニール袋を力強く叩いて破るかのような、しかし確実に鼓膜を貫く銃声が響いた時には、ハミィの衣服で肩口が破けていた。
「これは脅しではない。こちらとしては君を今すぐ射殺しても構わないのだよ。情報を吐いてくれそうな捕虜は他にもいくらかいるからね」
「だから私は――」
「脱げ」
 ハミィの反論は重々しい一言によって封殺される。
 わざわざ戦争地域に踏み込んだのは、そこにキュータマがあるとの情報を掴み、手に入れるべくしてのことにすぎない。戦争には関わりを持たないハミィだが、それを決めるのは本人ではなく嫌疑をかけた側の者達だ。
 脱ぐしかなかった。
 まずはジャケットから、そして中に来ていた服にスカートと、順々に衣服を手放すごとに、露出した肌に絡む視線はいやらしい熱気を帯びる。
「ひひっ」
「ふへへへへっ」
 ハミィを包囲している兵士達は、一様に薄笑いを浮かべていた。
 もちろん女性の脱ぐ姿が面白いのもあれば、ハミィを疑っている側からすれば、敵兵を辱めているようで気分も良いのだ。
「下着もだ」
 ショーツとブラジャーだけを残して手を止めると、あくまで全裸を求める司令官は、再び発砲合図を出そうとする素振りを見せる。
 そうなれば、ブラジャーも外すしかなかった。
「ほう?」
「なかなかじゃねぇか」
 カップの中身がこぼれると、兵士達は口々に感想を投げかける。大きい、形が良い、乳首の色が良い悪い。スタイルを品評してくる数々の言葉と共に、実に多くの兵士が妄想の中でハミィの陵辱を始めている。
 ああしてやりたい、こうしてやりたい。
 たっぷりと欲望を含んだ視線が、ハミィの裸体に殺到しているのだった。
(うっ、超ハズいんですけど……)
 大勢に視姦されながら最後の一枚まで脱ぎ去るなど、乙女心ある女子にはそれだけで拷問に匹敵する。ショーツのゴムに指をかけ、震える腕で下ろしていくと、白い生尻にも視線が集中して、見えない無数の針で刺され続けているような気分にさえ陥っていく。
「隠すことは許されない。頭の後ろで両手を組み、足は肩幅程度に開け」
「マジで最悪すぎ……」
 アソコの割れ目や毛の部分も視姦に晒され、ハミィのことをぐるりと囲む全方向から、兵士達は思い思いの部位を目に焼きつけ、その大半がニヤニヤしている。
「検品しろ」
 司令官が命じると、一人の兵士が前に出る。
 そして、ハミィが脱いだ服を調べ始めた。布を二重にして内側に隠したものでもないか、仕込んである武器や道具はないか。ジャケットやスカートまでは良かったが、それがブラジャーにもなると、ハミィはより一層の羞恥に囚われた。
「ブラジャーにはまだ体温が残っていますが、この可愛らしい柄以外に怪しいところはありません」
 体温などという解説。
「パンツは」
「はい。パンツにも体温が残っています。それと、おりものの痕跡とみられるシミがついていることから、ある程度使い込まれたものと推測できますが、特に物を仕込んでいるといったことはないようです」
「そうか。では下着はもらっておこう」
 脱ぎたてのショーツは司令官のポケットに押し込まれ、残る他の衣服でさえも、他の兵士達に分配される。元の服装が二度と戻ってこないことを意味する状況は、恐ろしいほどに心もとないものだった。
「よし、調べろ」
 兵士が迫り、ハミィの身体をまさぐり始める。
(ううっ、嫌だぁ……)
 ボディチェックのための手つきが、脇から肋骨を撫で回し、腹や腰の肉も揉み、当然のように胸まで包み込む。特に乳房の確認は入念で、じっくりと手の平でカーブをなぞり、揉み込む指で具合を味わう。
 五指で両方の乳首を包むようにつまんで、グニグニと指圧しては引っ張って、さらには人差し指で押し込んだ。指先で上下に弾き、また指圧しては引っ張って、再び乳房を揉みしだくなどして用心深い『検査』に徹する。
 秘所まで入念になぞられた。
 割れ目の一端に指を置き、下から上へとかき上げる。すりすりと擦り始めて、愛液が指に絡んでくると、膣内を探るための挿入まで行われる。
「んっ……くぅ…………」
 ハミィは表情を歪めた。
「よーく調べろ。そこに物を隠した過去の事例はいくらでもあるからな」
「もちろんです」
 根元まで差し込んだ指で、兵士は膣壁をよく撫でる。調べるための手つきから、すぐに愛撫へと変わっていき、完全な指のピストンとなってハミィに刺激を与えていく。
「はぁ……くぅっ……これで検査とか…………」
「物を隠している痕跡はありませんが、非情によく愛液が出ています」
「続けろ」
「はい」
 何もないことがわかっても、指の出し入れを続ける兵士は、もう片方の手でクリトリスまで触り始めた。
「あ……!」
 腰がくの字に折れるなり、司令官が片手を上げる。それが合図となって、周囲の銃口が発砲の気配を見せて脅しかける。
「今のは抵抗か?」
「そんなわけ……」
「なら、なんだ。どうして妙な反応を見せた」
「そんなの…………!」
「説明しろ! 今の反応は何だ!」
 誰もが期待していた。
 わかりきった答えが、誰もが想像している通りの回答が、ハミィ本人の口から声として発せられるのを、一人残らず待ちわびている。
(マジで激オコなんですけど……)
 怒りと屈辱。
 そして、何よりも羞恥の感情にかられるハミィは――。

「…………感じた反応、だから」

 その瞬間だ。

「ハッハッハッハッハ! ウケる! マジでウケる!」
「感じたってよ!」
「本人のお墨付きだ! こりゃ間違いねえ!」
「だいたい、この状況で濡れるっつー時点でおかしいから」
「超ウケるー!」
「ほんっとウケるわー!」

 どこまでも人を馬鹿にした大喝采が、ハミィの心を深々と抉り取る。
(もうやだ! なんでこんなことに!)
 ハミィの心境に構う者などいやしない。
「次は尻の穴だ」
 司令官からの無情で楽しい命令。
「おい! 自分の足首を掴め、肛門を見せびらかすポーズを取るんだ」
 本当なら意地でも従うわけがない。けれど変身できない状況で、ハミィをいつ射殺しても構わない姿勢の連中相手に、もはや少しでも逆らおうなど考えられるはずもない。
 だからハミィはポーズを取る。
 身体を二つに折り畳み、立ち姿勢だったハミィが自らの足首を掴んだなら、丸い尻が高らかに持ち上がり、この姿勢では割れ目の中身もよく見える。放射状の皺の集まりが誰しもの視線に晒され、気が狂うほどの恥ずかしさにハミィの頭は沸騰しきった。
「では失礼して」
 表面の滑りを良くするため、ゼリーを塗った指先が、ハミィの尻穴に潜り込む。先端からずっぷりと、第一関節から根元までゆっくりと、ゆっくりと、指の全てが入りきると、兵士は中身をよく調べた。
「何もありませんね。穴に力が入って、いちいちキュっと締め付けてくる以外は」
 いらぬ解説。
「ははっ! 超ウケる!」
 笑う衆人環視。
 散々に遊ばれ尽くしたハミィが迎える運命は、捕虜として囚われの身となって、兵士達の休養に使われ続けることだ。
 仲間に救出されるまで、どれほど使い込まれたか。
 ハミィは決して語らない。




目次に戻る

inserted by FC2 system