見つけてしまった伊緒奈の夜


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 特別不幸だったわけでもなく、幸せだったわけでもなく、けれど伊緒奈は知ってしまった。

 バトルすることの快楽を――。

 そして、見つけてしまった。

 小湊るう子という存在を――。

 彼女と、したい。
 たくさん、したい。
 あの時、初めてるう子としてから、もうずっとるう子のことばかりを考えてしまっている。
 朝起きた時も、寝る前も、ふとした拍子になんとなく思い出すのは彼女の顔だ。
 また、したい。
 あの子としたい。
 気がつけば、伊緒奈はるう子を求めていた。
 この街中のどこかに、自分の歩く道にるう子はいないか。読者モデルの仕事を終えた帰り道にるう子はいないか。人混みの中にるう子はいないか。

 気がつけば、彼女がそこにいないか探してしまう。

 るう子としたい。
 そればかりが伊緒奈の頭を占め、下手をすれば授業でも仕事でもぼんやりしてしまう。伊緒奈はその都度気を引き締め、きちんと集中すべきことにはしてきたが。
 夜、寝る前にもなれば、もう好きなだけ妄想できる。るう子の顔、るう子の声、肌触りを想像しながら、それだけでは物足りずに秘所へ触れ、布団の中で淫らな行為に身を落とす。あの可愛らしい顔を思い浮かべて陰部をなぞり、声を思い出しながらかき乱す快感には全身が震えてきた。
「るう子……るう子……」
 ひたすら、彼女を想像する。
 例えば、この手で乳房へ触れたらどんな顔をするのか。スカートの中へ手を入れたら、どんな焦った表情をして、顔を赤らめるのか。
 キスをしたら、その唇はどんな感触か。
 るう子の指で触れてもらったら、自分は一体どうなるのか。
 あらゆる想像を膨らませ、頭の中のるう子と重なり合って蜜をかきとる。
 アソコがほってり熱くなり、伊緒奈はいつになく興奮した息遣いで快楽に目を細めた。
 なんて心地がいいのだろう。
 夢見心地になりながら、ただるう子だけを思ってまどろみの中へ落ちていく。

「るう子……」

 その名を呟きながら、伊緒奈は眠った。
 そうだ、セレクターに呼びかけよう。
 そうすれば、あの子は必ずやって来る。




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