森川千夏 ホテル行き


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 森川千夏はその口に一物を含んでいた。
 ホテルの一室。
 制服でこんなところに来るのはまずかったが、相手が制服プレイを望むので、荷物として持ち込んで、シャワーを浴びたあとでわざわざ着替えた。
 仁王立ちする男の肉棒を手で勃たせ、それから咥えた千夏は、ロクに経験もないフェラチオに励んで、どうにか射精させようと苦心している。
「千夏ちゃーん。なかなか頑張るじゃない」
 別に、さっさと終わらせたいだけだ。
 だいたい、好きでこんな場所にいるわけではない。
 千夏はバイトをやめさせられた。学校で問題を起こしたことが伝わって、週五でシフトを組むことになったはずのバイトは、その日が最後となったのだ。
 そして、俯きながら帰ってみればだ。
 家に帰れば、暗い面持ちの父親が、母親に自分のリストラを打ち明けているところを見てしまった。仕事が軌道に乗ったら、きっと初めからお払い箱にするつもりだったのだと、陰鬱な顔で口にしていた。
 つい先日、いつもより早く家を出た父が、千夏の隣で言ったばかりだ。今の仕事が上手くいけば、主任に昇進できそうで、給料が上がれば千夏の学費も、と。そのときの父はもう少し明るい顔をしていた。
 そのあとだ。
 夕方の公園で、小さな女の子とバトルをして、その際にコインを使った後だ。

 ――君、森川千夏ちゃんだよね。

 男に声をかけられた。

 ――実はさ。君のお父さんの借金、まだ帰って来ていなくてさ。

 急いで家に帰った。
 父親を問いただした。

 ――すまない。千夏……。

 それが答えだった。
 だから、千夏はこうしている。

 ――そうだね。十回。
 ――十回もヤらせてくれれば、チャラにしちゃおっかな。

 さっさと終わらせれば済む話だ。
 終わらせれば……。

「じゅっ、じゅむぅ――ずりゅぅ――ちゅるぅぅぅ――」

 拙い口技で、千夏は頭を前後に動かす。
 好きでもない男の、汚いものを頬張る不快感と、太くて長いものを口に詰め込むことの息苦しさに眉を顰めて、この男から教わったコツを駆使する。
「ちゅむぅ……んむぅ……ちゅっ、じゅむぅぅ……」
 これはアイスだ。変わった味のアイスクリームだ。
 そう思っていなければ、やっていられない。
「おっ、そろそろ出しちゃうよー」
 当然のような口内射精で、飲むことを強要された。
 白濁が喉を通って、胃袋に収まる感覚が、嫌なほどによくわかった。
「じゃあ、初めてのセックス。してみようか」
 あとは身を委ねるだけだった。
「汚れ、つけないで下さいね」
 千夏から言うのはそれだけだ。
 適当に寝そべって、いいように千夏に触れる手に耐える。頬やうなじを撫でる指を堪え、ブレザー越しの胸を揉む愛撫も、スカートに手を入れて、ショーツ越しにアソコをなぞる指も、我慢ゲームだとでも思って静かに過ごした。

 ――ちーちゃん。がんば!

 何を、頑張る。この我慢ゲームか。
 壁や天井に模様があり、数でも数えていれば時間が経つだろうと気がついて、一つ二つと数えていくうち、ブレザーのボタンが外されていく。ワイシャツが開かれる。いつしか生乳を愛撫され、ショーツも取られていた。
 手馴れた指先によって、よく濡らされたアソコは、あとは挿入を待つばかりだ。
 そして、入ってきた。
「くぅ……!」
 初めての痛みに顔を歪めて、小さな穴を無理に広げてくる太さに耐えながら、千夏はピストン運動によって揺らされていた。
 これでもう処女じゃない。こんな形で失った。
「うーん。やっぱいいねぇ? 高校生は」
 ただ、黙々と耐えた。
 男は千夏を道具としてしか見ていない。性処理の玩具で、性奴隷というわけだろう。だったら千夏も、毛虫やゴキブリでも我慢して、気持ち悪さに耐えるゲームだと思ってやるまでだ。
 長らく耐え、やっと時間が経つ。
「よし、そろそろ出すかねぇ」
 コンドーム越しの射精が済んで、解放されるかと思ったが、もう一度抜いておきたいと言い出す男の一物を手に握り、千夏は右手でしごいてやった。


 少し日を開け、二回目は全裸での騎乗位だった。
 今日は自分から跨ってみるよう言われ、数分ほど手コキをやって勃たせてから、千夏は自ら上に乗る。肉棒を指に絡めて、自分の秘所に位置を合わせて、しっかりと膣内に収まるように腰を沈めた。
「んっ、んぁ……! あぁ……!」
 跨った千夏が上下に動くと、男は寝そべった姿勢から、まだ二回目の経験に過ぎない千夏の努力を見上げてくる。
 だが、ゲームだ。
 たかが我慢ゲーム。
 その日は途中で体位を変え、バックでも正常位でも貫かれた。


 三回目は体操着とブルマに着替えた。
 マニアックなコスプレだけでなく、紺色のブルマが尻の厚みによって膨らんで、ゴムから肉をはみ出しているのが嬉しいらしい。ついでにショーツも何ミリか微妙に見えて、そんなブルマ尻を必要以上に撫で回す。
「へへっ、いいよ? 千夏ちゃん」
 脱がせてはコスプレの意味がない。
 その日は必要な分だけ下げるだけで、男は千夏に挿入した。
「あぁ……!」
 正常位で覆い被さる男は、両手で体操着の胸に食らいつき、揉みしだくことに熱中しつつも腰を振る。
「あっ……く……! くふぁ……! んぁぁ……!」
 快感に慣らされた千夏は、しだいに喘ぎ声を上げるようになっていく。


 四回目はスクール水着で奉仕した。
 だいたい、一度に最低でも一時間以上はやる羽目になる。挿れて出して、それで終わりというはずがなく、大抵は手や口でさせられる。
 ひとりきりしゃぶったあとは、やはり千夏の尻を楽しむ。
 やがて愛撫が始まると、アソコが濡れて、ずらし挿入となってあらゆる体位で突き込まれ、男の満足いくまで肉体を使われ続けた。


 五回目はソーププレイ。
 六回目は性感マッサージで快感を教え込まれ、七回目ではパイズリを行った。八回目と九回目では長く時間を取り、前半と後半でコスプレの衣装を変えた。


 十回目ともなれば、休日の丸々一日を使う日程が取られていた。
 朝から夜まで、千夏は淫らな時間を過ごした。
 朝から手で勃させたあとは、口に咥えて射精させ、精液を飲んだあとでプレイが始まり、全身に愛撫を受けて千夏自身の性感は高められる。また体操着と言い出すので、着替えたあとでの挿入となり、数分後とに体位を変えながらの性交となっていた。
「あーあ。このマンコともお別れか。約束だもんなー」
 いかにもわざとらしく、大げさに悲しむ素振りを見せるが、男は既に別の性交相手を見つけている。千夏とは違う境遇だが、間違いなく不幸に付け込んで、誰かの性を搾取した日々を過ごし続けるわけなのだろう。
 やっと、終わる。
「あっ、くふぁ……! あっ、あんん!」
 終わる。終わるのだ。
 必要なだけブルマを下げた四つん這いで、尻の穴など丸見えであろう後ろから、腰のくびれを掴まれながら、千夏はピストンを受けている。
「おっと」
 射精感を覚えてか。急にペニスを抜いた男は、思いついたようにブルマを引き上げ、食い込ませ、可能な限りTバックに近づけてから、はみ出た肉を撫で回した。
 さっきから、こうだ。
 射精の気配があれば引き抜いて、手で触るだけの楽しみに切り替えて、また時間が経ってから挿入し直す。
 やっと終わるという日にこれだ。
 男は一秒でも長く楽しもうとしてきている。
「次はスク水ね」
 と、男がそういうので、千夏は体操着を脱いで、また着替えた。
 スクール水着になった途端に押し倒され、胸を集中的に愛撫してくる男は、乳首の突起を見てニヤリと微笑み、集中的に指で苛める。
「うっ、くぁ……あぁ……!」
「可愛い感じで乱れちゃってさ。君も俺のチンポが恋しい?」
「そんなわけないです」
「へえ? ま、いいけどさ」
 男は股間の布地をずらし、アソコの割れ目を晒してから、今一度肉棒を千夏の膣内に納めて腰を振る。
「んっ、んぁぁ……!」
 ずっと調教されてきた肉体は、否応なしに敏感な反応を示していた。
「せっかく感度も良くなったんだ。彼氏が出来たら楽しめるな? 感謝しろよ?」
 感謝ときたものだ。
「ん! んぁ! あっ、あふぁ……! あん! あぁん!」
 きっと、千夏はひたすら、ただ喘ぎ散らして見えるだろう。
 男の目には、そんな乱れた千夏しか映っていない。本当はどれだけ我慢して、ゲームの終了時間を心待ちにしているか。女の子を性処理道具としてしか見ない、そんな男を今でもどれだけ見下しているか。こいつにはわからない。
「あぁ! あんん! ふぁあ……!」
 何度も体位を変更した。
 騎乗位になり、側位になり、結局は正常位に戻ると思えば、また今度はバック挿入。スクール水着の上からワイシャツを羽織ってみて欲しいと言われ、眼鏡やメイド服、ランドセルなんてものまで用意して、楽しくもないコスプレ大会を交えて、休憩を挟んでは繋がった。
 最後は制服だった。
 学校のブレザーとスカートを着て、その内側には男が選んだ下着がある。
「バックな」
 そう言われ、千夏はベッドシーツに両手をつき、静かに尻を突き出した。
 スカート丈が持ち上がり、ショーツの尻が丸出しになると、すぐに下着はずり下げられ、とっくに濡れている膣穴に挿入が行われた。
「ぬぁ……!」
 本当に、最後のはずだ。
 壁掛け時計の時間が、とっくに夜をまわっているのを見て、これが最後の辛抱だと千夏は歯を食い縛る。
「あぁ! あ! あぁ……! あん! あぁん!」
 そして、最後に絶頂した。

 ――ちーちゃん。がんば!

 頑張ったよ?
 こんな汚いことをね。




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