キースに犯された舞


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 決闘王国トーナメント。
 そこで武藤遊戯に敗北した孔雀舞は、城之内に一枚のカードを託していった。

『王の右手の栄光』

 それを手渡した思いは一つ。
「あんな奴に負けんじゃないよ! 城之内!」
 彼に、勝って欲しいからだ。

 何故なら、舞はバンデット・キースに犯されたから……。


     ***


 その日はまだ、武藤遊戯との決戦が控えた前夜であった。
 夜中過ぎまでデッキを見直して、日付が変わる頃にはさすがに眠気が差してくる。納得がいくまでコンボを考えていたものの、寝不足でコンディションを崩すというのもまずい。
 深夜をまわって、ようやくデッキ調整を切り上げた舞はベッドにつく。

 カチリ、と。

 鍵の開く音には気づかない。
 ギリギリまで眠気に耐えていた舞は、あまりにも深いまどろみに落ちていて、物音に気づくだけの鋭さや異常事態に気づくための判断力は、眠りの奥へと失われている状態だ。
 コツコツと、迫る足音にも気づかない。
 侵入者がベッドに乗り込み、上から覆い被さるまでに至っても、舞がそれに気づいて目覚めることはなかった。

 もみっ、もみっ、

 乳房を揉み出す両手を感じても、舞はそれを夢の中の出来事のように思っていた。
「へへっ、よーく眠ってるじゃねえか」
 舞の部屋に忍び込んだその男――バンデット・キース。
 城之内から『王の右手の栄光』を盗んだキースは、そのついでに孔雀舞の部屋にでも挨拶に行くことを思いつき、侵入できるタイミングを見計らっていたのだ。この程度の鍵穴をピッキングで開けるのは造作もなく、キースは勝ち誇った気分で舞の胸を揉みしだいていた。
「なかなかのオッパイじゃねえか」
 キースは舞の衣服を脱がしにかかる。
「イイ女ってのは、イイ体を持ってるもんだなァ?」
 上下の下着まで剥奪すると、キースは舞の全裸をじっくり眺めた。
 電気の消された暗闇を照らすのは、窓から差し込む月明かりのみである。淡い光に照らし出された肉体は、乳房がツンと上向きで、腰もほどよくくびれており、実に情欲をそそるものであった。
「月明かりに照らされる美女の肉体ってか?」
 既に城之内には勝ったつもりでいるキースは、自分の敵になるのは遊戯か舞のどちらか勝ち上がった方だと思っている。
 もし、舞と当たることになったなら?
 こうして肉体を堪能しておけば、あらかじめ自分が優位に立った気分になる。舞も自分を犯した相手とのデュエルになれば、動揺して実力が発揮できないことだろう。もっとも、その前に遊戯に負ける確率が上がるのだが、だったら遊戯だけを警戒したデッキ調整をすればいい。
 どちらに転んでも、キースにとってはいいことずくめだ。
「へっへっへ……」
 ゲスな薄笑いを浮べながら、キースは舞の寝顔を両手で掴む。桜色の唇が薄っすら開き、その隙間からスヤスヤとした寝息の声が漏れてくる。
「舞さんよぉ? こっちはいつ起きてくれても構わねぇんだぜ?」
 ただ欲望を発散させるだけでなく、自分の敵となる決闘者を精神的に弱らせておくことが目的だ。最後まで眠ったままでは果たせないので、途中で起きて貰わないとむしろ困る。
「ま、起きねェってんなら、寝ているあいだに行くとこまで行っちまうか」
 キースは舞に唇を重ねた。
 そっと触れ合わせるようなキスから、やがてついばんだり頬張ったり、唇を貪るようにして味わい始める。舌を差し込むと抵抗なくすんなり入り、キースは舞の口内いたるところに舌を這わせ、自分の舌と舞の舌とを触れ合わせた。
 そして、口を離す。
 唇のあいだから、唾液の糸が引いていた。
「まっ、ファーストキスってことはねぇだろう。アンタも食い頃の歳だもんなァ? 処女なんてとっくになくなってんだろ」
 だから何をしてもいいのだと言わんばかりに、キースは再び口を味わう。舌で舞の唇を舐め取って、ディープキスで自分の唾液を送ってやる。唾液を飲ませてやったことで、ますます勝った気分になり、キースは調子付いて乳房を揉んだ。
「ほーら、揉まれちまってるぜぇ?」
 鷲掴みにして指に強弱をつけていると、手の平の中央に硬い突起が当たってくる。
「お? 乳首も勃っちまってんじゃねーか」
 キースは左右の乳首を指につまんで弄ぶ。つねってみたり、押し込んだり、指先で転がすようにして楽しみ、しゃぶりついて舌で舐め込む。甘噛みで歯に挟んだ状態にして、舌を左右に動かすことで刺激を与えた。
「へっへっ、次は舌のお口といこうじゃねーか」
 秘所に触れ、指で割れ目を上下になぞる。
「……んっ」
 舞の口から声が漏れた。
「お? 起きたか?」
「んんぅ…………」
「けっ、寝たまま感じてんのか」
 指に愛液が絡みつき、それを塗り伸ばすようにして、キースはより活発に愛撫を行う。手の平全体がぬかるんで、しだいにベッドシーツに灰色の染みが広がる。肉芽の突起を感じると、クリトリスを指で集中的に刺激した。
「んひぃ……はぁ……あぁぁ…………」
「寝息が荒れてやがる。エロい夢でも見てんだろうな」
「じょうのう……ちぃ…………」
「ああ? 城之内だ?」
 他の男の名前を聞かされ、急に水を差された気分になったキースは、それがよりにもよって城之内であることに舌打ちした。
 あのド素人のどこがいい。
 まさか、この女はあんなまぐれで勝ち上がってきた男に惚れているのか?
「面白くねぇ、ここは一つ生でやってやるか」
 盛り下がった気分を取り戻したいかのように、キースはベルトの金具を外し、ペニスを出して入り口に押し込んでいく。
「んぁ……! あぁぁぁ……!」
 亀頭の先から、だんだんと竿の根元にかけて埋めていく。舞は快感の夢にうなされるかのように首をよがらせ、その額には脂汗を浮べていた。
「うおっ、たまんねぇ!」
 生温かい膣壁のぬめりが、ギュゥっと搾り上げるようにして、キースの肉棒を締め付けている。愛液で滑りがよく、キースは楽しげに腰を振り、大胆なストロークで舞の膣内を貫いた。
「あぅっ……うあぁぁ……!」
 よがり、仰け反る舞。
「へへへっ、いい気持ちだぜ」
「じょ――っ! じょうのう――えっ!?」
 ふと、急に目を覚ました舞は、キースの顔を見るなり驚愕していた。
「おおっと」
 そして、大声を出されるより早く、キースは舞の口を手で押さえ、上から体重をかけることで抵抗を封じながら、さらに激しいピストンで舞の膣内を責め立てた。
「――んっ! んん! んっ!」
 喘いでいるのか。喚いているのか。
 それとも、悲鳴か。
 口を塞がれた声では、どちらなのかはわからないが、ピストン運動に合わせて声が漏れ、体中のビクつく反応を示しているのは間違いなかった。
「残念だったなァ? 城之内じゃなくて」
 自分のペニスを教え込もうと奥へ押し付け、キースはニタニタとせせ笑う。
「――――んぅ!」
 涙を滲ませながら、舞はキースを睨んでいた。
「おお?」
 是非ともその声を聞いてやろうと、キースは舞の口から手を離した。
「この卑怯者! アンタにはデュエリストとしてのプライドはないの!?」
「プライドぉ? 勝てば何でもいいんだよ」
 リストバンドにイカサマ用のカードを仕込んでいるキースにとって、誇りはプライドなんてものは知ったことではない。
「ふざけんな! アンタみたいのが勝てるほど、デュエルは甘くないんだよ!」
「はあん? 甘い声を出してんのはどっちかねぇ?」
 キースは愉快そうに腰を揺さぶり、思うままに舞の口から喘ぎ声を引きずり出す。なんとか歯を食い縛ることで堪えるが、そうしなければ甘い女の鳴き声は確かに響いている。こんな男によがらされる屈辱で、舞はひどく表情をゆがめていた。
「あぁ……! あ、アンタは……城之内にも……勝てない……ッ!」
「あぁ?」
「勝てないわ! さしずめド素人とでも思ってんでしょうけどねぇ、こんなことをしなければ戦えないアンタと違って、卑怯な奴に負ける男じゃないんだ!」
 本気で言っているのか?
 城之内克也の実力など、この決勝トーナメントまで進んでだこと自体が不思議な男だ。元全米チャンプであるキースに負ける余地などない。
 そもそも、参加証明カードである『王の右手の栄光』自体、もう城之内の手にはないのだから――。
「悪いが、あのド素人の実力はもうわかっている。そんなことより、俺はアンタが決勝に上がってくるのを待っててやるぜ? んで、俺がアンタに勝ったら、もう一発ヤらせろや」
「自惚れの強い男。まるで自分が負ける可能性を考えていないみたい」
「当たり前だろ? あんなド素人」
 キースはより大胆なグラインドで舞の膣を抉り込み、舞の背中を何度も何度も、ビクンビクンと跳ね上がらせる。

「――んっ! んぁ……ああっ、ああん!」

 喘ぎながら、舞は思った。

 コイツはアタシに教えようとしてるんだ。
 こうすることで、自分の方が上なんだと思わせようとしている。
 だけど、アタシは屈しない!

 ――ドクドク! ドク……ドクゥ……ビュルン!

 熱い白濁が吐き出され、舞の膣内に染み込んでいく。肉棒の引き抜かれた肉穴からは、溢れた精液がドロリと流れ、ベッドシーツに染みを作った。
「コイツは記念に貰って行くぜ?」
 キースは舞のショーツをポケットに突っ込み、勝者の勲章でも得たような、勝ち誇った笑みを浮かべて出て行った。
 犯された舞は、その事実に泣いた。
 そして、それから思った。

 アイツはまるで、自分が城之内に勝つのは決まっているような顔をしていた。
 確かにアイツは未熟者だけど、こうして人の部屋に忍び込んで……。

 自分が犯されたこと。
 そんな卑怯な男がやりそうなこと――。
 そう照らし合わせ、舞はまさかと想像してみたが、自分自身の考えに首を振った。

 まさかね。
 考えすぎよ。

 しかし、武藤遊戯との決戦に敗北して、計らずも『王の右手の栄光』が必要なくなった舞は、それを城之内に手渡すことを決めたのだ。

 ――勝つのよ! 城之内!

 そんな、声援を込めて。


     ***


 そして、時はしばし遡り――。
 それは孔雀舞VS武藤遊戯の始まる前。

(オヤオヤ、どうして彼女はノーパンなのでしょーう?)

 デュエルリングに着いた孔雀舞の姿を見て、ペガサス・J・クロフォードはその心を透視していた。
(あの凛とした眼差し。誇りを持って戦う意思はあるようですが、慣れないノーパンの感覚に少しお尻を気にしていますねぇ?)
 舞台入り口からリングの所定位置まで歩む際、生のお尻がスリスリと布地に擦れ、スカートの生地と触れ合うことを気にしていた。表情にこそ出さないものの、手でお尻の辺りを押さえ、絶えず気にしているような様子があった。
(なるほど、そんなことがあったのですか)
 心の透視でキースとの出来事を見抜き、ペガサスはキースに冷たい眼差しを送った。彼に着替えの下着を取られたため、やむを得ずノーパンでデュエルに挑もうとしている。レイプされた直後でありながら、真っ直ぐに戦いに望もうとする精神力は感服ものだ。
(まあ、キースのあのようなマインドでは、どの道優勝はないでしょう。参加資格のためのカードも、必要が無くなれば渡すつもりでいるようですしねぇ)
 ペガサスは少し特をした気分になって舞のデュエルを見届けた。
 強く、気高く、美しい。
 焦りや苛立ちによって、マインドの揺れる遊戯を叱責する凛々しい姿の時でさえ、舞はただデュエルへの集中で一時的に忘れているだけで、ノーパンなのだ。
 その脱がされたショーツは、キースの記念品のようになっている。彼の心を覗いてみるに、既に匂いを確かめたり、おりものの染みを観察して、おもちゃのように遊んだあとでもあるようだった。

 孔雀舞。
 実に素晴らしい決闘者デース。




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