催眠アプリ 宮崎千紗希


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 あるところに童貞達の怨念集合体があった。
 若くして死んだせい、醜い容姿のせい、性格の問題――。
 それぞれの理由で彼女が出来ず、童貞のまま命を落とした者達が、お互いの無念を引き寄せ合って、癒着しきって生まれた混合体だ。
 もはや個々の意識はない。
 ただセックスをしたかった未練の塊となり、彷徨うだけの存在だ。
 しかし、そこに冴えない中年教師を見つけた怨念集合体は、彼のモテない心に引かれ、心身ともに醜い男の魂と共鳴していた。
 結果、中年教師の所持品に――スマートフォンに憑依して……。

「あー君、ちょっと荷物を手伝ってくれないかな?」
「え? あたしですか?」
「本当はパワフルな男子にでも頼みたいけど、たまたま通りかかったのが君だからね。持てるだけでいいから、社会資料室まで一緒に来て欲しいんだ」

 全ては口実に過ぎない。
 ある日、見知らぬアプリが入り込んでいると気づいて、中年教師は遊びがてらの試したが、なんと女の子を自由に洗脳できる催眠機能が備わっているとわかった。
 何故、どうして、そんな力が手に入ったのかはわからない。
 しかし、そうとわかれば活用するまで――

 ――対象は宮崎千紗希。

 資料の山を運ぶ手伝いと称して、巧みな待ち伏せから二人きりの部屋に連れ込む状況を作り出した中年教師は、さっそくアプリを機動した。
 千紗希の瞳から光が消える。どこかに魂の消え去っているような、虚ろの表情のままユラユラと、ゆったりと頭を揺らしている。いわばトランス状態というもので、この頭が空白となっているうちに、催眠による情報をインプットするわけだ。

『絶対服従』
『従うのは当たり前、常識だと思い込む』
『記憶は都合良く消え、都合よく蘇る』

 中年教師はアプリによる操作内容を打ち込む。
 タッチ画面中にある『催眠完了』に指を触れ――。
 すると、たった今起動スイッチを入れたかのように、虚ろだった表情は一瞬にして立ち戻り、千紗希は困惑気味にキョロキョロしていた。
「ええっと、あたし……」
「千紗希ちゃん。スカートを持ち上げてくれる?」
「な、何言ってるんですか!? そんなことできるわけ――」
「先生に従うのは『当然』だよね? 別に『当たり前』のことだよね?」
 まるで初めて世界の常識に気がついたかのように、千紗希はハっとしながら表情を変え、瞬く間に申し訳なさそうな色を浮かべた。絶対に従うべき命令に異論を唱えたことになるから、逆に千紗希の方が悪者ということになっているのだ。
「す、すみません! そうですよね。こんなの『当たり前』ですよね」
 スカートをたくし上げ、レース入りのピンク入りがあらわとなる。
「おおっ!?」
 簡単の声を上げ、食い入るように見つめる中年教師は、真っ赤に染まった千紗希の顔と、目の前のショーツを交互に眺めて楽しんだ。
 聞いた話によれば、モデルにスカウトされて断ったと言われている。
 当校初日で霊能力を自称した冬空コガラシと同じクラスで、少しばかり仲が良い様子が見受けられるも、まさか付き合っているわけではないだろう。仮に交際関係があったとて、先に千紗希を楽しむのは自分の方だ。
「恥ずかしいですよ……・もういいでしょうか……?」
「そうだね。今度は先生とセックスしようか」
「えっ!? せ、せ……!」
 ただでさえ染まっていた顔面が、みるみるうちに赤色の濃度を増して、脳がぐつぐつと煮立っていそうなほどまで恥らう千紗希は、慌しい表情を浮かべてオロついた。
 ここはもう少しだけ、催眠内容を追加しておこう。

『先生とのエッチは嬉しいこと』

 そう設定した以上は、どう足掻いても中年教師からの誘いを嬉しく感じる。
「そのっ、興味がなくはないですけど、ここでするんでしょうか?」
「他に場所がないからねぇ?」
「……わかりました。けど、バレたら大変ですからね?」
 生徒と教師の繋がりが発覚してはまずいなど、普通の常識は都合よく残される。
 その上で中年教師との性交は都合良く受け入れられる。
「ちょっとだけ、後ろを向いてもらえませんか?」
 性格を書き換えるわけではない。
 千紗希の女の子らしい部分としては、脱いでいるところは見せたくないわけだ。中年教師は背中を向け、セーラー服が一枚ずつ脱げていく衣擦れの音にニヤニヤする。
「……いいですよ?」
 振り向くと、そこには全裸の千紗希がいた。
 片腕で胸を隠して、もう片方の手の平でも、アソコの部分をぴったりと隙間無く覆い隠して恥じらっている。
「裸になっても綺麗だねぇ?」
「いえ、そんな! あんまり見ないで下さいっ……!」
「見ないなんて勿体無い。横になろうか。千紗希ちゃん」
 生唾を飲んだ中年教師は、いよいよ初めてセックスを行う楽しみに、千紗希をゆっくりと床に寝かせて押し倒す。
「これから、するんですね……」
「そうだよ? 初めてかな」
「……はい。まさかこんな形になるなんて」
「でもしょうがないね。先生に頼まれちゃったんだもんね」
「……はい」
 手首を掴んで腕を下ろさせ、まずは綺麗な乳房を拝んだ。
「いやぁ、素晴らしい」
 この胸を揉んでいいのだ。
 中年教師はさっそくとばかりに両手に包み込み、柔らかな弾力をじっくり楽しむ。

     ***

(う、嬉しい……!)
 千紗希は悦んでいた。
(さっきはどうして、あんな風に思ったんだろう?)
 この社会資料室で中年教師と二人きりになった時から、もしも襲われたらどうしようと、周りには他の生徒もいないから、大声を出しても助けが来なさそうだと想像していた。そういえば除霊を頼むため、初めてコガラシを家に呼んだあの時も、そんな不安に囚われていた。
 先生に頼まれたら、セックスをさせてあげるなんて当然なのに……。
 こんなに嬉しいことなのに、どうして不安だなんて感情があったのだろう。
「アソコも触ってあげるねぇ?」
 胸を揉み続けていた中年教師の手は、下の方へと移っていく。割れ目を指でなぞり込む愛撫にビクっと震え、千紗希はどことなく甘い痺れに見舞われていた。
「あっ、あぁぁ……!」
 太い指の腹が、性器の皮膚をそっと撫でる。割れ目に沿って上下に動き続けていたかと思うと、不意に左右の刺激に変わり、濡れるにつれて膣内に挿入された。
「エッチな汁が出てきているよ?」
 出入りする中年教師の指が、膣壁から愛液を掻き取っている。
「そんなこと……言わないで下さい……」
 生まれて初めて入ってきた男の指が気持ちいい。
 しだいに少しずつ、だんだんと、千紗希はまぶたを閉じていき、このウットリするような快感に浸っていく。
(凄く気持ちいい……エッチがこんなにいいなんて……)
 途端に秘所から指が離れた。
 ベルトを外そうとする金具の音は、もうそういうことだ。
(緊張する。痛いのかな? だってアレが入るんだし……)
 本番が迫っている。強張った顔つきで、ズボンの脱げる音を聞き取り、アソコに迫る肉棒の気配を感じた。
(な、何この感覚――)
 急に体中が熱くなり、下腹部がジンジンした。
 触れられてもいないアソコから、滝のように愛液が溢れ、床に流れて水溜りを作り出す。

 ――ヌチュ。

 亀頭が接触するだけで、まるで接着剤のように愛液で癒着して、先端が自分のアソコと一体化している心地となる。
「あぁぁぁ……!」
 入ってくる。
 穴の幅を押し広げ、太い一物が子宮を目指す。根元まで埋まったそれは、内側の大きく広がる圧迫感を与えてくるが、すぐに痛みは快感によって潰された。
「あっ! あふぁ! んふぁぁ……!」
 催眠によって痛みを消されているなど、千紗希自身が知ることはない。
「あぁっ、いいよ? 千紗希ちゃん。先生感激だよぉぉぉぉ!」
 一心不乱に腰を振り、中年教師は大胆に快楽を貪り尽くす。
 醜く太った顔立ちが、千紗希の顔をニタニタと覗き込んでいた。普通の感性をしていれば、ゾッとするようなものでしかない。寒気が走り、鳥肌が立ち、女子としては拒否反応を起こすはずの歪んだ笑みでも――。
「はいッ! あたしもォ……あたしもッ、嬉しいですぅ……!」
 催眠下では喜びの感情しか沸きはしない。
「だったら、先生とキスしようか」
「はい!」
 タラコじみた厚い唇は、べったりと油をまとって、やはり本来なら一秒とて接触などしたくない代物だ。
 そんな中年教師によって、千紗希の唇は捕らわれる。
「んじゅっ、ちゅぅ……」
 舌が口腔をまさぐりながら、膣でもペニスが動いている。
 脳が溶け落ちるほどの幸福に満たされた。
 存分に頬張る勢いで、極限まで捻じ込まれた中年の舌へと、千紗希自身も舌を絡ませ、お互いの唾液を舐め取り合う。息継ぎがてらに顔が離れれば、舌の狭間に糸が引き、再び唇を重ねて二つの舌をぶつけ合う。
 大胆に味わう下では、肉棒が腰を貫き、そのたびに落ちる快楽の稲妻によって、足首が何度も反り返る。
「出すからね? 出すからね? 千紗希ちゃあああん!」
「はい! 下さい! 先生ぇ!」
 終局に向けてペースを上げ、達する瞬間に奥に押し付け、遠慮なく膣内に放出する。下腹部の中身が熱い液体で満たされていくのを感じ取り、千紗希の表情は蕩けていた。
「あっ、あああん!」
 絶頂で反り打ち返り、千紗希もまた果てていた。
 あとはだらけた脱力で、手足を投げ出したままの千紗希の中から、肉棒が抜かれるなり膣から精液がこぼれ出す。
 ティッシュで拭き取る後始末の後は……。

「っじゅうう、じゅぷっ、ちゅぅぅ…………」

 ペニスを掃除するためのフェラチオだった。
 直立する中年教師の元に正座して、唇を使って噛み付くように亀頭先端を食べている。ご馳走が美味しくてたまらない幸せな表情で、大きく口を開いて頬張って、頭の前後運動まで開始していた。
(はあ、美味しい……)
 そう感じるように味覚を操作されているなど千紗希は知らない。
 時間をかけてチュパチュパと、口内から唾液に音を鳴らしているうちに、だんだんとコツを掴んだ千紗希は、肉棒に沿った舌のカーブで包み込む。ホール状のコーティングを成し、その首を丹念に動かして、実に一生懸命になって中年教師に刺激を与えた。
(幸せ……)
 うっとりと目を細め、やがて出される精液を飲み込んだ。




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