第11話「次なる検査へ」


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 麗華は今日もオナニーをしていない。
 恥を忍んでマッサージをネタにすれば、その方がずっとマシなはずだった。なのに始にまで検査データの内容を口にされ、どうしようもない疼きを静めようにも静められないまま、学校に来た。
 アソコはすっかり熱くなり、大事な一点が発熱している。愛液が漏れるのを恐れて生理用ナプキンを貼ってはいるが、内側が蒸れすぎて授業にも集中できない。後で取り替える必要があるだろう。
 教師が真面目に解説をしているのに、麗華の意識は自分の穴にばかり集中していた。
 そして、苦行でしかない一時間目が終了した時……。
「麗華。大事な話があるから、ちょっと来なさい」
 担任がやって来て、麗華を呼び出しに来た。
 ――こんな時に何を企んで……。
 麗華は警戒心を働かせながら、しかしアソコの具合を気にしながら、担任の背中について行くように廊下へ出た。
 指導室へ連れていかれ、麗華は担任と二人きりになる。
「言っておきますが、あなたの言いなりになるつもりはありません」
 麗華はすぐに釘を刺した。
 どの道、医学サイトによって麗華の全てが公開されている。それが剣道部の後輩に知れ渡っている今、写真を脅しのネタに使うような手口は逆に通用しない。もし担任が自分を犯すことでも考えているなら、抵抗する気持ちはしっかりある。
 しかし、担任が口にするのはもっと別の話であった。
「麗華、お前の家は貧乏なんだろう? 子供も多いのに、果たして全員を大学まで送りきる余裕があるのかどうか」
「また、金の話ですか?」
「そうだ。若い女の子限定で、毎年のようにがっつり稼げる仕事がある。風俗ではない。医学の世界へ貢献するための、立派な表の仕事だ」
 それがどんな仕事なのか。
 聞かずともいやらしい内容が頭をよぎり、瞬間的に拒否反応が出た。
「お断りします! もう散々楽しんだでしょう?」
「断るというのなら、家族にもあのサイトのURLを教えておこうか」
「……やはり脅しか」
 麗華はその目を細め、担任を睨む。
 だが、心がアソコの疼きを気にしているのに、鋭い視線が作れるはずもない。頬の熱い、瞳のとろけた麗華の顔は、本人の気持ちにも関わらず、いやおうなしに官能的に色めいていた。もし、事情を知らない者が麗華の口から誘うような台詞を聞いたなら、人はたちまち麗華を押し倒さずにはいられなくなるだろう。
「高校には行くんだろう? お前の成績なら推薦で入れる。剣道の実績もあるから、高校なんて選び放題じゃないか」
「それが何ですか?」
「これから行く高校にも、あのURLを教えておこう。いや、教えなくとも偶然発見するかもしれないがな。偶然にまかせるのと、わざわざ教えるのでは違うだろう? なにせ、エロサイトなんていくらでもある。黙ってさえいれば、医学用サイトへ辿り着く奴なんて滅多にいないだろう」
「既に誰かに教えましたか?」
 担任こそが情報を漏らした犯人に思えて、麗華は担任に疑惑をかける。
「いいや、教えていないが。そんな質問をするって事は、なるほど誰かにネタにされたな?」
「い、いや……」
 即座の、しかし声の弱弱しい否定が、逆に図星と知れてしまう。担任はおぞましいまでに口元を歪めて、笑んだ。
「はははっ、これはいい。わざわざサイトを見た事を報告され、いやらしい言葉を投げかけられたんだろう? 一体どんな事を言われた」
「別に何も」
 教えてやる言われもないので、麗華は口をつぐんだ。
「まあいい。大事なのは、その気になれば将来お前が社会人になっても、会社の人間にあの画像を送ってやれるってことだ」
 最悪な状況に気づかされ、麗華は心からゾッとした。
 顔写真も出されている。いくら名前が伏せられていても、いつどこで誰が、偶然によってサイトに辿り着かないとも限らない。十分に卑猥な画像なのを考えると、麗華の痴態がアダルトサイトへ拡散する事も考えられる。もうしているかもしれない。
 それが、行く先々に知り合いや友達に知れ渡れば……。
 この先、どうやってまともな生活を送ればいいのだろう。
「麗華、一度広まった情報は決して消えない。そんなお前にも、過去のことは何も気にせず、まともに稼いでいける場所を教えてやる」
「お断り――」
 あくまで拒否する麗華の言葉を遮り、担任は言う。
「なら一生恥ずかしい人生を送るか? 身の回りの人間は誰もがその体の情報を握っていて、大事な穴も何も全て見ている。そんな環境の中で生きてみるか?」
「……卑怯者が」
 下種な担任を麗華は蔑んだ。
 どうしてこんな教師が存在するのか、全くもって信じられない。他の先生は十分に良い人なのに、担任だけがどうかしている。
「お前には確か妹がいただろう? 妹にも声をかけよう。麗華、お前の妹にもあの検査を受けさせて、恥ずかしーい思いをさせてやる」
「やめろ! 妹は関係ない!」
 大事な家族まで辱められては、もう担任を消さずにいる自信がない。そうなってしまえば、やってしまうか、殺意さえも堪えながら生きていくかだ。
「だったら、受けるか?」
「……わかりました。話を受けます」
「受けさせて下さい。だろう?」
 どこまで人を低く扱いたがるのか。
 担任を憎らしく思いつつ、悔しさを堪えながら、麗華は震え声で促しに応じる。
「……受けさせて、下さい」
「ふーむ。そこまで医学の発展を願い、恥をしのんでアナルもマンコも提供したいと言うのなら、致し方ないなぁ」
 さも陽気に振舞う担任を殴りたくさえなり、アソコの疼きに加えてそんな衝動さえも抑えるのに、麗華の精神はとうに限界を超えていた。

 パンツの中、貼り付けた生理用ナプキンがぐしょぐしょになり、吸収しきれなくなった愛液の水分が、パンツの布地にまで染み出ていた。

 そして、麗華にナプキンを貼りかえる猶予は与えられなかった。
 




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