無実の罪 万引き身体検査


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 その少女はあくまでも毅然としていた。
「私はやっていません」
 個人経営の雑貨店で、手頃な女子高生を見かけた俺は、万引きを口実として事務所に連れ込んだのだが、想像以上にプライドが高い。頑として罪は認めず、怒鳴ろうがどうであろうが、机を叩き、蹴り飛ばしてまで脅かしても、まるで効果はないのだった。
 名前は湯佐京子。
 十七歳。
 凛として落ち着き払っている京子は、背中に垂れかかる長さの黒髪から、フルーツを思わせるような甘い香りを放出している。香りつきシャンプーなのだろう。非常に姿勢が良く、真っ直ぐ背筋を伸ばして太ももに両手を置いた座り方は、あまりにもきちんとしているので、いっそ万人の手本にしたい。
「なあ、何故認めない?」
「この店に入ってから、商品を手に取って眺めることすらしていません。万引きはおろか、不注意によって自分の荷物に紛れ込ませることさえありえません」
「だったら、どうしてポケットに商品が入っていた?」
「こちらが聞きたいです」
 ずっと、この調子だ。
 煮えを切らして怒鳴ったときでさえ、微塵も表情を変えずに淡々と「私はやっていません」と繰り返し、机を叩いて大きな音を立てて脅しても、欠片も怖がろうとはしてこない。物を蹴り飛ばす行為を試した時など、「いちいち騒がないで下さい」と、何の感情もなく事務的の述べてのけたのだ。
 こいつは機械か何かだろうか。実はアンドロイドではないか。
 そう思いたくなるほど、どんな手を使っても怯えない。自分は無実である主張だけを無機質に繰り返す。

 まあ、こいつは本当に無実だけどな。

 金で雇った俺の仲間が、女性客の手提げバッグやポケットの中に商品を紛れこませる。巧妙なプロの技術なので人は気づかない。俺が呼び止め、未清算の商品が出てきて初めて、今までの少女達はあらぬ冤罪に慌てふためく表情を浮かべてきた。自己主張の弱そうな、イケそうな女を中心に狙ってきたからだ。
 若干気が強そうだとは思ったが、いつもとは違った雰囲気の少女を狙えば、京子は顔色一つ変えなかった。
 こいつは普通じゃない。
 俺の手口に気づいたわけでもあるまいのに、仮にも商品が出てきたのに、こうも無実の主張を貫けるものだろうか。
「何故、私のポケットに商品が入っているのですか?」
 と、逆に京子が俺に質問をしたほどだ。
 数ある万引きAVにあるように、脅しに脅して屈服させ、撮影したセックスを大金持ちの仲間に売るのが、この雑貨店を利用した俺の職業ですらあるのだが、ここまで手こずる女は初めてである。
 こんなやり取りを一時間以上は続けているが、それだけの時間をかけて、ようやく京子の感情が読めてきた。
 こいつ、意地になっていやがる。
 俺に対して怒気を含んだ顔立ちは、苛立ちにムっと頬でも膨らませた感じに近い。一見すると無表情でも、観察してようやく感情が見えてきた。
「ま、なるほどな。商品を手に取ることもしていない。それが湯佐さんの主張だ」
「はい。私の口からはそれを十二回ほど告げました」
「数えてたのか? まあいい。とにかくだ。よしんば何かの間違えで、他のお客さんが持っていた商品があなたのポケットに紛れ込んだとしよう。どうやって紛れ込むかは知らないが、そういうことが起きたと過程しよう。だが、そんなものをどうやって証明する?」
「警察に連絡を行い、指紋を調べれば、私の手が触れていないはずだとわかるはずです」
「へえ? 警察とか呼んでいいの」
「私は無実ですので、特に問題はないと考えますが」
 さすがに意思が強い。
 それどころか、他の表情筋は微動だにしないのに、目だけは少しずつ挑発的になり、呼ぶなら早く呼べよと言わんばかりになっていた。
 さて、こうなったら切り札を出すしかない。
「わかった。ちょっと待ってろ」
 俺は一旦席を外して、一枚の顔写真を持ってきた。
 京子の通う高校の一年生だが、無実の罪で追い詰めるなり、涙ながらに許しを請い、実に素直に俺とのセックスを受け入れていた。いけると踏んだ俺は、ばら撒くという脅しでさらに数回抱いてやり、所属している部活やその成績について聞き出した。
 そいつが言うには、湯佐京子とは書道部のコンクールで賞を取るほどの者らしい。
 県大会のせいぜい何回戦までしか進んでいないが、空手と剣道の経験もあり、現在は茶道部とも掛け持ちしている。よほど日本文化が大好きと見える女は、後輩の顔写真を見て、やっとのことで少しは驚愕を浮かべていた。
「それは……!」
「あなたの後輩は万引きをした。きちんと謝罪をして、誠意が伝わったから、ブラックリストの顔写真と引き換えに通報はしなかった。ところが、また同じ学校の同じ書道部の犯行だ」
「私は無実です」
「たとえ無実でも、騒ぎにはなるだろ?」
「……でしょうね」
「過去にチャラにしたこの子の万引きも、今回のことがきっかけで言うかもしれない。一人くらいならいざ知らず、二人目だろ? 三人目や四人目を出しかねない学校には、きちんと言うことを言わなきゃいけない」
「…………」
 京子は押し黙った。
 少しずつ、ほんの少しずつではあるが、睨みつけるような眼光が鋭くなり、頬の内側ではおそらく歯を食い縛っている。
「次の書道コンクールにも影響は出る。今なら謝罪だけで許すが、それでも無実か?」
「……無実、です」
 やっと、わずかにではあるが主張を躊躇った。
「無実ね。いいだろう。確かに指紋を調べればわかることだし、あなたが警察騒ぎも厭わないなら、そのまま主張を貫けばいい」
「…………」
 目が、一瞬だけ横へ泳いだ。
 京子とて、警察騒ぎで部活動に支障が出るのは嫌らしい。結果的に無実が証明できたところで、騒ぎが起きた事実のせいで、理不尽な活動停止もあるかもしれない。世の中というのはそういうものだ。
「ただね。自分で警察を呼んでも構わないっていうくらいだ。さすがに本当に無実の可能性が出てくるな」
「無実です」
「しかし、証明できない。いや、警察が調べればいいんだが、そうしないと証明できない」
「……早く、呼べばいいじゃないですか」
「他の商品を取っていないか調べて、何もなければ、俺もあなたの無実を全面的に信じることにしようかな」
 俺はわざとらしく提案した。
「バッグとブレザーは調べたでしょう」
 その通りだ。
 バッグの荷物は丁寧に漁り、ブレザーも脱いでもらって、ポケットや裏地を調べ尽くした後である。
 それ以上調べるということは、脱衣でもするしかない。
「これを見ろ」
 次に俺が用意したのはノートパソコンだ。
 インターネットに繋いで、ニュースサイトから過去の万引き事例を出し、商品をブラジャーやショーツの中に隠していた事件を見せる。
「……何が言いたいのですか?」
 京子の語気は、明らかに怒りで荒れていた。
「お前が無実なわけないだろ? あの後輩ちゃんの先輩ときたら、同じように万引きしたっておかしくないんだ」
 わざと、後輩の侮辱もかねて煽ってやる。
「……っ! 無実ですっ!」
 やっとのこと、怒りの感情が表に浮かんでいる。
「はいはい。だったら、証明してみろよ。ま、有罪っ子ちゃんには出来っこないかー」
「ふざけないで下さい! 警察を呼べば――」
「警察とは仲良しなんだ。もしかしたら、白も黒に変わるかもねぇぇぇぇ?」
「うっ、くぅ……!」
 逆に警察が切り札だと思っていそうだった京子には、今の言い方の効き目が大きいらしい。
「せっかく後輩の万引きはチャラにしたけど、同じ学校の反抗じゃあなぁ?」
「あなたという人は……!」
 焦ってる焦ってる。
 自分のせいで、あらぬ騒ぎが巻き起こり、俺の気分一つで後輩の万引きさえも学校中に知れ渡る。後輩が無実だとは知らないから、さしもの京子も戸惑っている。さらに駄目押しで、警察手帳を写真にとった画像を見せてやる。俺の知り合いは実は単なる下っ端だが、白を黒に変えた最低な男だと紹介してやり、京子はますます歯軋りの音を鳴らしていた。
「ま、そちらの出方しだいでは無実を認めて、逆に俺の方から謝罪するよ。お詫びの品を出しても構わない」
「…………」
「どうする? 無実は警察に晴らしてもらうか? それとも、この場で何とかするか?」
 これが最終的な問いかけだ。
 そして、京子は心の中でこの状況を天秤にかけている。
 悩んでいることだろう。自分は無実だ。警察の力がむしろ身の潔白を証明する。そう信じている京子にとって、白が黒に変わる可能性とは、いよいよ冤罪逮捕の恐怖であろう。こうして京子を追い詰めた俺は、ますます強く睨まれていた。
 京子の視線。
 よもや人を呪殺したい勢いの眼差しだ。
「……いいでしょう。この場で証明してみせます」
 いよいよ腹を括ったか。
 京子は脱ぐ決断をしたのだった。

     **

 はいはい、脱げばいいんでしょう!? 脱げば!
 この最低男が!

 なんて、俺は京子の眼差しを心の中で翻訳してみる。
 一度は調べた紺色のブレザーだが、一旦返したあとなので、脱衣の始まりはブレザーから最後の一枚までということになる。ボタンを外し、ワイシャツの白い姿になるまで時間はかからない。リボンを取るのも、当たり前のようにあっさりだ。
 しかし、次からは露出を伴う。
 ワイシャツにせよ、スカートにせよ、下着が出るのは躊躇うかと思ったが――。

 ――キッ!

 と、もしも京子が、瞳からビームを飛ばす生物だったなら、この俺を今の一睨みで射抜き殺したことだろう。
「別に恥ずかしくはありません。無実ですから」
 俺の期待に満ちた表情に気づいてか、強気に振舞う京子の手つきは、迷い無くボタンを外して下から上へと、白い布地が左右に開け、隙間から肌色が見え隠れするにつれ、まずはヘソが一瞬見えた。
 鳩尾まで到達して、ブラジャーの領域にかけてボタンが外れる。
 最後の一つまで解放すると、京子は恨めしそうな視線を俺に向け、こうすれば満足なのだろうと言わんばかりに、堂々と下着越しの乳房を晒してみせた。
 純白のブラジャーだった。
 遠目では無地に見えかねないが、よく見れば刺繍で何かの模様が施され、ふんわりと質の良さげな布でカップやブラ紐が形成されている。例えるなら神界の天使が付けているような、綺麗さや清楚ぶりをイメージしたデザインだ。
 豊満な乳房を中央に寄せ、乳と乳の押し合う谷間が、全ての男の視線を誘いかねない莫大な引力を帯びている。
「恥ずかしいかな?」
「別に恥ずかしくはありません」
「顔、赤いよ?」
「恥ずかしくはありません」
 明らかに頬を朱色にしていながら、自分は何も感じていないとでも言いたげだ。それを証明したいかのように、さっさと生肩を剥き出しにして、右腕の裾を引き抜く。腕一本分の肌面積が増えると、すぐに左腕からも裾が抜け、京子のワイシャツは俺の手に渡った。
「何もないな」
 体温の残ったワイシャツをよく調べる。両手で広げ、何か落ちてはこないかと、ゆさゆさと揺すったあとは、ところどころに手を触れて、布地のぬくもりを撫でていく。
「何もないはずです」
 京子はすぐに、もうスカートを脱ごうとしていた。
 サイドホックを取り外し、ジッパーを下げることで緩んだスカートから、ズボンを脱ぐのと変わらない腰の曲げ方から、内側に納めた脚を一本ずつ持ち上げる。手渡しのスカートを受け取る俺は、下着姿をくまなく眺めた。
 純白のショーツは新品だろうか。
 少しも色のくすんでいない爽やかな白は、まるで天使の羽から編み込んだ布にも思える。ゴム部に沿って腰を囲んだレースの飾りつけも、クロッチを華やかに見せる豪奢な刺繍も、見るからに高級品だ。
 俺はさっさとスカートのチェックを済ませ、下着姿を眺めてやった。
 モデルにも劣らない眩しい肢体だ。
 ふくよかな乳房、引き締まった腰のくびれ、曲線的に整った美脚のライン。
 モジモジと動く両手は、自然とアソコや胸にいき、隠したくてたまらない仕草で、けれど実際には隠すことなく彷徨い続ける。
「やっぱり、恥ずかしいんだな」
 指摘してやると、京子は慌てて両手を下ろした。
「だから何も感じません!」
「そうムキになるな」
「なってません!」
「ほら、次はブラジャーだぞ?」
「わ、わかっています!」
 背中に両手を回した京子は、一瞬ばかりホックを探るが、三秒と待たずに発見して、スムーズにブラジャーを脱いでみせていた。
 しかし、俺は気づいていた。
 脱ぐ直前となるや否や、朱色は耳まで及んでいき、片腕でブラジャーを手渡すときには顔全体が真っ赤である。
「くぅ…………」
 受け取ると、より恨みのありそうな視線で睨んできた。
 自分のブラジャーを目の前で調べられている気持ちといったらないだろう。両腕でがっちりとクロスを固め、胸だけは完全に隠そうとしている姿も、なかなかに女の子らしくて可愛らしいものじゃないか。
「どうした? 堂々とするんじゃなかったのか?」
「別に胸まで見せる必要はありませんので」
「へえ? しかし、あと一枚だな」
「……わかっています。いちいち言わないで下さい」
 ショーツを腰から下げるため、両側のゴムに指を引っ掛ける京子は、必然的に胸のガードを解除している。くの字に折れた腰の上半身が、俺に向かって倒れてきて、下向きの乳房が乳首を床に垂らしている。
「そうそう。次はちゃんと気をつけの姿勢にならないと、このパンツ返さないからな」
「……くっ!」
 そんな俺にショーツを手渡す屈辱はどんなものだろう。
 包み隠さず、両手を真っ直ぐ下ろして背筋まで伸ばした姿は、瑞々しい乳房の膨らみを惜しげなく晒している。乳首の突起は恥ずかしさのせいだろう。アソコの陰毛は、毛並みが細いためなのか、あまり黒々とはしていない。薄っすらとした灰色の草原が、綺麗な三角形に切り揃えてあるのだった。
 俺の手の平にあるショーツには、当然のように体温が残っている。
「新品か?」
 左右をつまみ、真っ直ぐ広げ、俺はわざとらしいまでにショーツの柄を鑑賞しつつ、京子の全裸も忘れずに視姦する。
「買ったのは二週間前です。さほど新品ではありませんが」
「へぇ?」
 裏返して、日頃アソコの割れ目と接している部分を撫でる。まるで縦筋をなぞる愛撫のようにしてやると、実際に自分の性器を触られる想像がよぎったのだろう。あからさまに顔を顰めた京子は、涙を溜め込んだ怒りの眼差しを浮かべていた。
「もう十分ですよね……! これで私の無実を認めるという約束です!」
「ああ、あと少しで認めてやる」
「あと少し? もう服も下着も全て――」
「まだ物を隠せる場所は残ってるだろ?」
「そんなまさか……」
「アソコの穴と、尻の穴だ。よーく見せてもらうからな」
「うぐぅぅ……!」
 本当にどんな気持ちだろうな。
 まったく、たまらない。

     **

 そして、俺の目の前には尻があった。
 自分で自分の足首を掴む前屈姿勢で、美尻を高らかに突き出してある。人権配慮の進んでいなかった時代の身体検査か何かでしか、きっと人にこんなポーズを取らせる機会はなかったことだろう。
 実に気分がいい。
 人をこんな風に扱うのは、他者の尊厳を玩具にしている実感がわいてくる。
 身体を折り畳んだ体勢では、自動的に割れ目が開け、肛門が丸見えだ。黒ずみの薄い雛菊皺は、桜の色を暗くして、艶やかな紫に仕立てたような色合いだ。放射状の皺が心なしか、一種の可憐な花とさえ思えてきた。
 お尻の穴にこんな例えをするのもあれだが、和の風情さえ醸し出されている。
 そもそも、京子の美白肌自体が、澄み渡った自然界に優しく積もるふんわりとした雪のようであり、そこに紫色の桜の花びらを飾り付ければ、和の芸術が出来るかもしれない。汚いはずの排泄器官なんぞに、それだけの雰囲気が宿っていた。
 そんな肛門の下には、いじらしく中身を閉じたワレメがある。
 まるで身持ちの固い清楚なお嬢様が、生涯を誓い合うただ一人の男性のためだけに、大切にしてあるような性器である。土手の丸みといい、一本筋の通りも素晴らしい。
 習字で『一』という漢字を書くだけでも、止めや跳ねなどの技巧一つで見栄えが変わると、俺の小学時代の教師が語っていた。京子のマンコはまさしくそれだ。たかが一本の直線ごときが、微妙な深みや太さの変化を帯びて、たちまち妖艶な芸術品へと変わってしまう。
 こんなマンコであろうと中身を開けばグロテスクな中身があるなんてことが信じられない。
 いや、案外肉ヒダでさえ、この分なら芸術性じみた風情ある外観かもしれない。
「どうせ開いたりするんでしょう……!?」
 物凄い語気の荒さだ。
 今にも怒り散らし、破壊神として全てを破滅に導く前兆じみた恐ろしさすら感じるが、それほどまでに屈辱を溜め込みながら、こうして情けの無いポーズを晒している。全ての主導権は俺にあるのだ。
「そうそう。下手な動きしたら、シャッター押しちゃうからな」
「……なっ!?」
「お? 動いた?」
「動いてません!」
 こんな姿を撮られるなんて、もはや拳銃を突きつけられて、生殺与奪を握られている気持ちと何一つ変わりはしない。
 しかも、この部屋には初めから隠しカメラが設置してある。
 さきほどのノートパソコンにも、映像録画機能があり、京子が気づいていないだけで、今のやりとりでさえ、データとして残っているのだ。
「しっかし、ケツと喋っている気分がするなぁ?」
 俺は人差し指を接近させ、丸い尻肌をそーっと、触れるか触れないかの際どさで撫でてやる。
「っう……!」
 ――嫌よ!
 とでも叫んだように、俺の指を跳ね退けんばかりに尻が左右に動いたのは、まさしくボディランゲージに他ならない。俳優は表情だけでなく、身振り手振りといった挙動によっても感情表現を行うが、京子は尻の振り方一つで主張したといっても過言ではない。
 尻たぶに両手を置いた。

 ――きゅぅぅっ、

 皺を内側に巻き込む窄まりで、肛門が小さく縮んだのは、撫で回しを始めた瞬間だった。
 尻肉に力が入り、強張ったのだ。
 今にも歯茎が壊れるほど、きつく歯を食い縛ってでも耐えているであろう京子は、全身の筋肉さえも激しい感情で力ませている。脚の筋肉まで硬直で震えているのが、プルプルとした微妙な振動から尻肉に通じている。
 いかに我慢しているのか。それが尻でわかった。
 本当は怒鳴り散らしたり暴れだしたい人間が、気持ちを抑えてはいるものの、肉体は震えているといえばいいだろうか。
 お尻がそうなるなんて面白すぎる。
「しっかし、プリプリしてんなぁ?」
「そんなことをしていないで、早く私の無実を……」
「だから見てるじゃないか。可愛い可愛いお尻の穴を」
「くぅ……!」
「まあ、お望み通りアソコの中身を見てあげるとするか」
 俺は指で性器を開く。

 くぱぁぁぁ……
 
 と、開けた中身は薄桃色の美肉であった。
 どうして、こんなところまで綺麗に見えてしまうのか。生々しいビラの部分から、尿道やクリトリスの部分まで、果ては肉棒を入れるための膣口までもが、まだこの世の穢れを何一つしらない乙女のように佇んでいる。
 黒ずんでいないのだ。
 今にも爽やかな桃の香りでも漂いそうな色合いが、粘膜を纏ってキラキラと、光の反射で輝いてすらいる。
「へえ? マンコは無実みたいだな。もちろん処女という意味で!」
「う、うるさいですよ……」
「へいへい。商品が隠れていないかチェックしますよー」
 そう言って、俺は親指をどけ、ぴったりと閉じ合わさった性器を眺める。割れ目の筋に指を這わせて上下に擦り、愛撫から開始した。
「なっ! 何を……!」
「いきなり指を入れたら痛いだろ? 親切に濡らしてあげているんだ」
 俺は恩着せがましく言ってやった。
 さも上の立場から、広い心で優しくしてやっている態度である。
「やめ……」
「大人しくしてろ。これが済んだら無実を認めるからな」
 じっくりと揉みほぐし、狭間から愛液が出るまで刺激を与える。
 ひとりきり濡れた性器に中指を挿入して、俺はピストンを開始した。
「あっ、くぅ……!」
「なんだ? 気持ちいいのか?」
「そんなわけ! むしろ痛いわ! もっと丁寧に出来ないのかしら?」
「ほう? そんなに気持ち良くなりたいか」
「ふざけないで! そんな意味なわけ――」
 しかし、感度は十分に良いらしい。
 処女のくせに感じやすいということは、オナニーで鍛えたマンコか?
 あー楽しい。
 空いている左手を尻たぶに置き、触感を味わいながら、ありもしない盗品をよーく探す。
「ふーむ。この辺りか? それともこっちか?」
 膣壁をかき回し、指の腹で右も左も、色んな角度を確かめる。膣の温度で俺の指は温まり、出し入れを繰り返すごとに粘膜を帯びていき、やがては愛液によって皮膚の表面は完全にコーティングされていた。
「むっ、くぅ……!」
「おいおい。やっぱ別の意味で有罪だよなぁ?」
「何が言いたいんですか……!」
「あくまでも検査だぞ? 濡れすぎだって話だよ」
「……っ! 調子に乗ったことを言わないで下さい!」
「すまんすまん。んじゃ、もーちょっと詳しく、じっくりと確かめるぞ?」
 俺は丹念に指を出し入れして、京子に刺激を与えていく。
「くむぅっ、んぅぅ……!」
 どうにか堪えているような、歯を食い縛った喘ぎ声が、たまらなく良い声に聞こえてくる。
 よりペースを上げていき、もう片方の手でクリトリスまで愛撫する。快感に脚を力ませる京子は、肛門をヒクヒクさせながら――。

「くあぁぁぁあ……!」

 やがて絶頂に果てていた。
「ははは! 楽しかったぜ?」
「……でしょうね。下衆男」
 もう立っている力もない京子は、そのまま床に倒れ込み、まるで全力疾走後であるような荒い息で肩を上下させながら、始終俺を睨んでいた。
 着替え直して、ショーツを履いて――。
 ここから出て行く時も、最後の一睨みとばかりに、肩越しにキッと鋭い視線を送り、競歩選手さながらの早歩きでさっさと立ち去っていくのだった。

 さーて、今回の映像はいくらで売れるかな。
 儲けが楽しみでならん。




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