催眠セックスの実験


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 性交指導実施のためにある指導室には、面談用の机やソファーの他にも、ベッドや浴室まで完備されている。バイブやローターにローションから、ソーププレイ用のマットさえ置かれているが、俺が行うセックスは仕事でもあるのだ。
 この高校は研究機関と契約を結んでおり、ブレインリングの装着データを絶えず提出し続ける対価として、多額の費用を援助してもらっている。それらの金は修学旅行の予算や部活動の部費といった形で生徒にも還元され、ほぼ全員が漏れなく恩恵を受けているといってもいい。
 ブレインリングは催眠、洗脳、常識改変といった力を持つ機械の首輪だ。
 今回俺が行うのは動作確認。
 個人の脳に直接的な影響を与え、催眠や常識改変にあたって情報を流し込む関係上、開発当初から脳や精神に障害が残る可能性が心配されてきた。十年以上の研究により、そうした障害の危険性は取り除かれ、全ての改変行為は操作一つで気軽に解除可能になってはいるが、バージョンアップの際に不具合が出ていないかはその都度テストすることになる。

 姫川椎名――17歳。
 彼氏持ち。

 どことなくお嬢様っぽい、おしとやかで優しそうな顔立ちの椎名は、とても真面目で非行などには縁がない。
 担任をやっている俺でもあるが、今のところ遅刻は無し。休み時間中は大人しく本を読み、たまに友達と喋っているが、大きな声で騒いだり、走り回ったりする姿は一度として見たことがない。
 極めて大人しいタイプだが、一年生の頃に告白され、他クラスの男子と付き合っているようだった。
 まず行うのは、俺のことを彼氏と誤認させた状態でのセックスである。
「えっへへ。勇樹くん。目がエッチになってる」
 俺は既に椎名を全裸にさせ、肉棒を握らせていた。
 いや、積極的に手コキをしてくれているのだ。シャワーを済ませた後、椎名の待つベッドに上がるなり、腰に巻き付けたタオルの中身に興味津々といった顔をして、自分から肉棒の世話を始めてくれたのだ。
 ブレインリングを使えば肉体関係の有無を聞き出すのは造作もなく、交際半年で処女を捧げたという椎名は、機会を見つけては彼氏と交わり合っているそうだ。
 学校内のベッドを使用することには疑問を持たせず、さらに椎名の目には、俺の本来の顔が映っていない。個人の体臭や肌に触れた感触に至るまで、全てが中田勇樹という恋人のものに変換され、椎名の中では完全に、彼氏と行う甘いセックスの時間ということになっている。
 つまり、俺が見ている椎名の姿は、彼氏以外の男には決して見せない女の顔だ。
「こんなに硬くしちゃってー」
 俺が仰向けに横たわると、椎名は俺の顔を追うように倒れてきて、下の方では手コキを続けながらも、耳元に唇を接近させる。
「キスしていい? っていうか、するよ!」
 実に楽しそうに、嬉しそうに、ご馳走の香りによだれを垂らした表情といっても過言でない顔をしながら、椎名は恋人の唇を貪った。手でのしごきは活発に、キスにも力を尽くして何度も啄み、俺の口内に舌まで入れた。
「ねえねえ、今日はいかがなさっちゃう? なんでもするよ? この前みたいに、ご主人様って呼ぼうか?」
 椎名の彼氏はそんなことをさせているのか。
「それとも、私が責める?」
 勇気という少年は、SとMの両方の気質を持ち合わせているのだろうか。少なくとも椎名は攻めにも受けにもまわるらしい。
 俺はご主人様のおチンポに目一杯のご奉仕をさせることにした。
「かしこまりました。ご主人様」
 椎名はすぐに俺の脚へ移動して、仰向けである俺の肉棒に四つん這いで食らいつく。両手で茎を立たせてしゃぶりつき、淫乱としか思えない積極ぶりで、じゅるじゅると音を立てるようなフェラチオを始めたのだ。
「はじゅぅぅぅぅぅ――ずっ、ずずぅぅぅ――ずっ、じむっ、ちゅるっ、ちゅっ、じゅむぅぅぅぅぅ……じゅりゅぅぅぅ……」
 口内の温かさに肉棒を包み込み、舌も使って奉仕してくる後頭部が、俺の股で上下に振りたくられている。見れば向こう側に聳える尻も、ご主人様への奉仕が嬉しくてたまらないかのように、左右にフリフリと動いていた。
 しかし、この子は決してビッチではない。
 ブレインリングから得られた情報は、スマートフォンによく似たタッチ画面式のデバイスで確認できる。そこで愛情値の表示を見れば、平常時は90だった数字が、現在は最大値の100を示している。
 交際関係であったり、あるいは結婚している夫婦における愛情値の平均が、90前後という数字になる。
 椎名の発情値は愛情値の増加と比例しており、一言でいえば彼氏だから興奮している。
 よく尽くし、そして甘い時間を大切にしたがる傾向にあるというだけで、淫乱値に関しては平均より低い。ブレインリングの設定では、淫乱値とは、常日頃から股でものを考えたり、誰にでも体を許す可能性の高さという定義としてあり、なので一般的な女子は、発情値が上昇しても淫乱値が上がるわけではない。
「ご主人様のおチンチン……じゅっ、じゅむっ――とても、美味しいです……ずずっ、ずむっ、はぷっ、ちゅるぅぅぅぅ……ずずずっ、ずりゅぅ……」
根本から先まで舐め上げ、側面の部分にも唇をよく這わせる。周りに唾液を塗りつけていく表情は、美味しいものを口にして幸せそうにしているそのものだ。そんな椎名と目が合うと、より嬉しそうに微笑んで、今一度咥え直して激しいフェラチオに励んでいった。
 俺は予告なしに射精した。
 ほぼ直角の、天に向かった肉棒から、白い噴火の精を放つと、椎名は「んっ!」と、驚いた呻き声を上げてから、すぐさま唇に力を入れた。全力で締め上げながら、喉奥に触れんばかりの奥まで咥え、どうにか受け止めようと頑張る姿は、本当に健気というより他はない。
 それでも、急に出した精液は、飲もうとしても飲み干しきれず、竿を伝って陰毛の中に紛れてしまう。
 ごくりと喉を鳴らした椎名は、すぐに俺に謝罪した。
「も、申し訳ありません! ご主人様! 直ちにお掃除致しますので!」
 一体、勇樹はどんな仕込み方をしたというのか。
 陰毛の茂みに吸い付いて、ペロペロと舐め取ろうと、吸い上げようと努力する。竿の部分にも舌を這わせ、亀頭にかけて掃除に励み、俺の肉棒と陰毛には、唾液で濡れた痕跡以外は綺麗に取り除かれていた。
 そして、四つん這いで尻を向けた。
 まるで本当に罪を償いたくてたまらないかのように、土下座のごとく額を下につけ、尻だけは高く掲げる。
「ご主人様。椎名のイケナイおマンコに、どうかご主人様のおチンチンでお仕置きをして下さい……」
 もちろん、俺はコンドームを付けるなり挿入した。
 肉棒をギュっと圧する膣の力が、とろけるような刺激を与え、俺の根本から先端にかけてが天国に連れていかれた。

 パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!

 俺の腰と、椎名の尻がぶつかり合う。肌と肌の打音が響き、そのたびに尻肉はプルプルと、ゼリーやプリンに振動を加えたように震えている。肛門がキュ、キュ、と窄められ、初めは俺が腰を振っていたものの、いつの間にか椎名の方から振りたくり、もはや俺が動くこともなくなっていた。
「あぁぁぁん! あっ、あん! ご主人様! ご主人様ぁぁ! 気持ちいいです! わ、わたしっ、すごく幸せ――あん! あぁっ、あん! あん! あん!」
 射精が近いことを告げると、今度は逆に、力の限り尻を押しつけ、コンドーム越しの精液を膣内で受け止めようとまでしているのだ。
「あぁぁ……! 出てますっ、でてますねっ、ご主人様ぁっ、すごく熱いですぅ……」
 幸せそうな声を出し、俺の射精が終わると、次にはコンドームを外しにかかり、それを縛ってシーツに放ると、四つん這いでのフェラチオに移っていた。
「まだ元気だな。勇樹、もっとする? あ、まだご主人様って呼んだ方がいい?」
 ともかく椎名はエロかった。
 学校生活での様子からは想像もつかないほど、心は一途だが、恋人に対してはどこまでも一生懸命に奉仕をする。淫らになってたくさん喜ぶ。勇樹も大人しい性格と聞いているが、二人きりの時なら、教師やクラスメイトが知らない別の顔を持っているのかもしれない。

     *

 性交指導の名目により呼び出し、担任である俺とのセックスを義務付ける。
 そのような設定を入力して、正常位での挿入に至る俺だが、先週の『勇樹』とのセックス比べ物にならないほど、椎名は静かに耐え忍んでいた。
「んっ、あぁぁ……ゆう……きぃ……」
 肉棒を根本まで押し込むと、椎名の顔はみるみるうちに罪悪感に満ちていき、俺とのセックスを明らかに我慢していた。
 今回の設定において、貞操観念に対する影響は一切与えていない。たとえ義務付けによって仕方がないことだと割り切っても、恋人に操を立てたい女子であればあるほど、自分は彼氏に対して申し訳ないことをしているのだと、悲痛な顔を浮かべるのだ。
 俺に対する愛情値が低下している。
 さらに、性感値を先週のセックスと同等の数字に引き上げても、椎名の顔から罪悪感が消える様子はない。こういう義務が存在することに、不満さえ隠せない、どこか不機嫌でもある表情で、目が何かを言いたげだった。
「んっ、あ……あぁ……んぅ…………ふっ、あ、ふぁ…………うっ、んぁ…………」
 喘ぎ声も静かなもので、ブレインリングの効果に反している。感度操作に不具合の可能性があるのかと思いきや、快楽の度合いに関して答えさせると「物凄く気持ちいいですけど?」と反抗的に返してきた。
 嘘をつかせない効果に関して、不具合の報告はされていない。
 つまり、これが椎名自身の、好きでもない男で感じていることへの、純粋な反応らしい。
「彼氏とはどうやって出会った?」
 ピストンを止め、俺は尋ねる。
 他人の肉棒が入っている状態で、本命との馴れ初めについて話すのは、乙女にとっては果たしてどんな気持ちであろうか。
「本を読んでいたら、自分も同じのを読んでるって、声をかけられました。勇樹は何となく雰囲気が綺麗で、大人しそうで、私もちょっと気になっていたので、向こうから声をかけてもらえて舞い上がっちゃいました」
「それで、お喋りをするようになって、仲良くなった?」
「そうです。アドレスも交換して、いつの間に電話もするようになって、そしたら急に映画に誘われました。嬉しくて、初デートだと思って出かけて行って、それから何度か一緒に出掛けましたけど、ちゃんと告白されたのは初デートから一か月後くらいです」
「へえ?」
「告白されて、嬉しくなって、目を瞑りました。で、キスしてくれました。あとは、何か月かしたらセックスもするようになって、時間がある時はエッチしながら、普通に恋と勉強を両立しています」
「先生と彼氏。どっちのおチンチンが大きい?」
「……せ、先生ですけど? 大きかったら何だっていうんですか」
 愛情値がないと、こういう具合か。
 軽く揺すってやるように、ゆさゆさとまろやかなピストンで刺激を与え、椎名の膣はヒクヒクと反応する。気持ち良さを我慢している表情は、硬くなった乳首に指を絡めてやると、より頬を強張らせて耐え忍ぶ。
「先生の方が気持ちいいだろう?」
「だっ、んぅ……だから……なんですか……かっ、関係っ、ないです……」
 喘ぎ交じりにつっかえながら、反抗的な態度は変化しない。デバイスのタッチ操作でもして、ブレインリングの力を借りれば、椎名の頭の中を俺に染めることなど容易いが、そんなことをしなくても俺は色んな生徒で楽しめる立場にある。
 俺が姫川椎名一人に固執する理由がないのは、彼氏さんにとっては不幸中の幸いだろうか。
「……ゆっ、んんっ、ゆ、勇樹のっ、おチンチンが入ってるとっ、繋がってるってだけで……楽しいんですからね? そりゃ、最初は――で、でもっ、んっ、あんっ、すぐっ、上達してぇぇぇ……くっ、んはぁっ……はあっ、私の弱点がわかったとか、コツがわかったとか言って意地悪な感じで責めて来るようになってきたんです!」
 快感については否定できない。
 しかし、それでも彼氏とのセックスの方が楽しいことを、椎名は殊更に主張していた。嘘を付かせない効果をかけているので、その一つ一つの言葉の全てが、椎名の一途で情熱的な部分を証明していく。
「なるほど。ちゃんと好きな人とするセックスは楽しいだろうね?」
「そうです! だ、だからっ、本当にっ、はっ、ああっ、あん! 早くぅっ、くぅぅっ、済ませて下さい! 彼氏いるんで!」
 俺は腰を振りながらも、椎名の顔の横にデバイスを置き、画面上にあるものを表示するように設定した。

 なんで! なんで先生なんかで気持ちよくならなきゃいけないの?
 別にこんな上手じゃなくていいのに……。
 性交指導ってだけで最悪なのに、勇樹以外で感じるとか、本当にありえない……。
 やだもうっ、早く終わって?
 あっ、んん!
 感じなきゃいけないなんて……困るよぉ……!

 ブレインリングには装着者の心の声を取得する力があり、それを次々と文面に表示することが出来る。
 そして、仮に椎名本人が画面を見ても、誤認催眠で俺を恋人と思い込んでいたように、都合の悪い情報は視覚からカットされ、真っ暗な画面にしか見えないのだ。

 あっ、あふっ、むっ、ムカつく!
 勇樹より上手なのが否定できない――気持ちいいの否定できない――。

 俺はより大胆なグラインドで抉り抜き、背中が丸く反り返るまでに喘がせた。
「あぁぁぁ! あっ、あ! あ! あ! あっ、あん! あん! あん!」
 快楽が大きくなればなるほど、より多くの文面が画面を流れる。

 な、なんでこんんなにいいの!? こんなの知らない!
 本当に勘弁して! 勇樹以外で喘ぎたくないの!
 いいから! こんな気持ちよくなくていいから!
 ――頭真っ白になりそう――ダメダメダメ!
 勇樹ぃぃぃぃぃ――せ、せめて勇樹の意地悪な声だけでも聴きたいよぉ……!
 あ、あれさえあれば、勇樹に「お前すっげー感じまくりじゃん? どうしちゃったの?」とか「顔がエロエロになってんな?」とか言われながらセックスしてる妄想してイケるのに!

 流れ続ける文面を見るに、どうやら自分のセックスを自分で盗聴して、あとで彼氏の好きな台詞を聞いて楽しめるようにしているらしい。特に意地の悪い言葉攻めが椎名の好みで、スマホにもMP3で入っているとか。

 い、イカされる! やだ! やだやだ!

 椎名は髪を振りたくり、快楽を拒みたがる様子を強めていた。
 その必死に首を左右に動かし、よがりながらも顔を顰める姿さえ眺めていれば、文章など見なくても絶頂直前にあることはよくわかった。

 気持ちいいだけでも嫌なのに!
 先生でイク必要なんてないし!
 ヤダっ、やだぁぁっ、なんでイカなきゃいけないの?
 もう無理っ、無理っ、ごめん勇樹!
 イクの我慢できない!
 げ、限界……!

 椎名は絶頂した・
「ひぐぅぅぅぅ!」
 何も知らない人間に声だけを聞かせれば、何の悲鳴かと勘違いさせかねない。どこかおかしな声を上げ、極限まで背中を反らした椎名は、上半身の綺麗なアーチで、ビクビクと痙攣じみて震えていた。
 スイッチでも切れたようにぐったりした後、いかにも悔しげな、不満げな表情で、俺から顔を背けてしまう。

 最悪……イカされた……。
 イカされたくなかったのに……。
 しかも、まだピクピクいってて元気だし……。
 気持ち悪い……気持ちいいのに気持ち悪いっておかしいけど、なんかやだ……。
 口直しじゃないけど、アソコ直ししたいな。
 勇樹でイキたい。
 いつまで入れてるんだろう。
 終わったなら抜いて欲しいな。
 それとも、まだ続けるのかな。
 やだなぁ……。
 
 何というか、イカせてもなお、俺に対する感情が淡泊なのは、別に寝取りたかったわけでもないのに、若干落ち込みたくなってくる。
 まあいい。
 ブレインリングはシステムのバージョンアップを行ったが、特に不具合なく動作して、心の声を文章表示する機能もスムーズに動いている。
 しかし、個人的にもう少し楽しみたいな。
 ええい、愛情値を弄ってしまえ。

 あれ? なんか急に楽しくなってきた? なんで?
 ま、まあいいや。つまんないよりはマシだし。
 勇樹の方が楽しいけどさ。
 おチンチン。入れっぱなしにするなら早く動かせばいいのに。
 でもまたイカされちゃったらどうしよう。

 明らかに反応が変わっていた。
 一回、二回と、ほんの軽いピストンで、試しに少しだけ突いてみたところ、ヒクヒクと締め付けるような膣圧が帰って来た。
「……す、するならすればいいと思います」
 今度は動かないことが不満であるように、椎名はボソっとそう言った。

 う、動いた!
 気持ちいいな……声も出そうになってくるし……。
 でも、勇樹ごめん……なんで先生とセックスして楽しいのか私自身さっぱりわからないけど……。

 そりゃ、感情指数をタッチ操作一つで弄られたからとはわからないだろう。
 俺は体位を変え、四つん這いの尻に腰をぶつけた。
 きゅっとくびれた腰を片手で掴み、右手では画面をチラチラと伺いつつ、シーツを両手で握り締め、あんあん喘ぐ姿を目で楽しむ。
「あっ、あん! あん! あっ、せんせっ、いいっ、いいです! あっいい!」
 尻を鳴らす音がパンパン響き、そのうち椎名の方から前後に身体を揺すり始めた。

 これ、好きっ、勇樹もよく後ろから、お尻ペンペンしながらしてくれるっ。
 先生は叩かないんだ……。

 叩いてみるか。
 俺は左手を振り上げて、尻たぶをぺちんと打ち鳴らす。

 うそっ、してくれた!
 ドSモードの勇樹みたいで興奮する!

 勇樹みたいで、という条件込みで興奮するあたり、さすがは一途といったところか。
 ペチペチと叩いていると、締まりがよくなり、肉棒が搾り潰されそうな快感に見舞われ、射精感が込み上げる。

 あはっ、どうしよう!
 勇樹だったら、このあと仕返しって言って私がお尻叩いてあげて、私がドSになる番だったりするんだけど、先生相手じゃ、ちょっとまずいかな。

 カップルで性癖の範囲が広いのは恐れ入る。
 残念ながら、俺がM側に回ることは遠慮させて頂くが、代わりにゴム越しだが射精でもくれてやろう。

 ああっ、出てる! 熱いの来てる!
 ――あっ!
 か、軽くイっちゃった……。
 そうだ……お礼しなくちゃ……。

 お礼だと?
 俺が肉棒を引き抜くと、すぐに椎名はこちらを向き、コンドームを外しにかかる。精液のよくこびりついた肉棒を舐め始め、せっかくのお掃除フェラを俺は仁王立ちで味わった。
 れろぉぉぉぉぉぉ……と、根本から先端にかけて舐め上げる時、生え際に唇を近づけようとするあまり、椎名の顔面に肉棒を乗せてしまったようになる。根から亀頭へ這った舌先が、チロチロと鈴口をくすぐって、今度は横の生え際に吸い付いた。
 ハーモニカを加えるように、唇に挟んで上下に擦り、ちゅうちゅうと汚れを吸っている。右側を舐め上げている顔が、俺に視線を合わせると、ニカっと可愛く微笑んだ。そして左側も同じように吸い上げて、舐め取って、亀頭のまわりもペロペロと舐め回す。

 先生のおチンチンも悪くないな。
 まあ、好きな人が一番だけど。
 先生のことも嫌いじゃないし、楽しい時間になってよかったよかった。

 かなりの心変わり。
 いや、俺が書き換えたわけだが。
 面白いのでもっと色々試してみよう。

     ***

 彼氏への愛情値を消し、代わりに俺への愛情値を最大にした状態。
 ついでに淫乱値も上げている。

「いっぱい奉仕してあげますね! 先生!」

 俺がベッドの横から脚を下ろし、そのあいだの床に座らせると、椎名は楽しそうに嬉しそうにパイズリをしてくれた。豊満な乳房で圧をかけ、ヨダレを活性油にしてよくしごき、自分の谷間に顔を埋めるとペロペロと舐めてもくれる。
「んっ、じゅっ、じゅむっ、ずむっ、じゅっ、ずずずずっ」
 とても頑張っている椎名が、どんな心の声を放っているか確かめた。

 先生のおチンチンすごく元気だっ。
 私だって元気になっちゃう。

「勇樹くんはいいのか?」
「勇樹? えっと、誰でしたっけ?」

 これはこれで彼氏が可哀そうなので、後でこの改変は解除してやるが、今ばかりは俺の女として扱わせて頂こう。
「先生っ、私は対面座位を希望します」
「いいだろう。自分で跨ってみろ」
「はい! お任せ下さい!」
 椎名は大喜びで俺に跨り、自分から肉棒を受け入れると、ずっぷりと下の口に咥えて上下に弾み始めていた。
 明らかにキスを求めた表情で、わざとらしく目を瞑り、唇を差し出さんばかりに顎をくいっと突き上げる。そんな椎名の唇を貪ると、向こうから舌を差し出し、だから俺も自分の舌を絡めつけ、ディープキスを楽しんだ。

 楽しいっ、楽しいっ。
 ずーっと一緒にいたいな。

 俺の背中に腕を巻き付け、強く抱き着いてくるものだから、俺の胸板で乳房が潰れる。ゆさゆさとした上下の動きが、肉棒に刺激を与え、射精感が天へと向かう。
「出ます? 出ますか?」
 期待に満ちた上目遣いがそこにはあった・
「ああ、出るぞ?」
「いっぱい出して下さいね? 出したらお掃除しますからね? 元気があったら二回でも三回でもしましょうね」
 甘えた声で言われると、俺はますます興奮して――。

 どびゅッ、どく、ドクドク――びゅるぅぅぅ――。

 コンドーム越しの精液で、俺は椎名の膣内を温めた。
 そして、ウキウキとした様子でお掃除を始め、余裕のあった俺の様子に、椎名の方から二回でも三回でも求めて来た。

     ***

 心のない人形状態でのセックス。

「………………」

 さすがに無反応。
 生きているだけで、何の個人的な性格や表情を持ち合わせない。命じれば動くだけの人形に騎乗位をやらせてみると、仰向けの俺に静かに跨り、極めて単調な弾みを見せた。激しさもなく、淡々としている上下の動きで、乳房はプルプル揺れてはいるが、あのはしゃぎっぷりと比べてギャップが凄い。
「あっ、あぁ……あ……あぁ……あぁぁ……あ……あっ……」
 一応喘いでいるのか。
 実に静かなものだ。
「気持ちいいか?」
「はい……気持ちいいです……」
 これもこれで面白いか。
 しかし、タッチ操作一つで設定を切り替え、俺を恋人だと思い込んでいる状態に変更。
「あぁぁん! 先生! 先生!」
 まさしくスイッチの切り替えだけで、椎名は激しく腰を揺さぶって、キスを求めて自ら前に倒れて来る。俺の胸板に乳房を潰し、ディープキスで舌を貪り、それでいて尻が大胆に弾んで水音がグチュグチュ鳴る。
 ――人形に戻す。
「………………」
 簡単に目から光が消え去った。
 一度始めたディープキスは、それでも継続されていき、俺の唇を椎名はベロベロと美味しそうに舐め回す。重ね合わせて舌を差し込み、前歯や歯茎を撫で回し、こちらからも舌を出せば絡め合わせる。
 結合部はクチュ……クチュ……と、ゆっくりと持ち上げた尻を、脱力によってすとんと落としてしまう動きが、単調な機械も同然に繰り返される。

 恋人モード。

「あぁぁん! せんせっ、先生っ」

 人形モード。

「……………………」

 ひとしきりの切り替え遊びを楽しんで、俺はたっぷりと射精した。
 十分遊んだし、そろそろ返すか。




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